夢を見る

・例えば7歳の少年が夜眠っているときに生まれて初めての夢を見る。
 朝起きたときの「何が起きたんだろう?」という驚きの感覚。
 それが14歳ならば、21歳ならば…


 7歳だと周りの人たちとは夢の話をすることもあまりなく、
 自分だけが見ていないということへの恐怖感もないだろう。
 しかし21歳だと?
 無頓着でいられるか、不完全な人間だと思うか。


・例えばある地方、ある部族では
 成人の儀式を迎えた夜、初めての夢を見るとか。
 そのときに見た夢の内容がその後の人生を左右するとか。


・僕が初めて見た夢は何であったか。
 というか記憶を遡って、最も奥にあった夢。
 10代の頃までは覚えていたように思う。
 しかし今手繰り寄せようとしても
 それが何であったか忘れてしまった。


 感触だけは覚えている。
 白っぽい、線画の、唐突な…


・生まれてから死ぬまで
 1度も夢を見ることのない人もきっといるのだろう。


・他人の夢を見る能力を持った人もどこかにいるだろう。
 目が覚めている間に覗き込むのか、
 眠っている間に波長を合わせて同調するのか。
 後者の場合、自分自身の夢は見ない。


・夢を売る、買うという話が世界各地にある。
 その起源はどこにあるのか。
 実は実際に売る・買うなのか、手放す・受け取るなのか、
 昔の人は案外簡単にできたりしたのではないか。
 物理的に、というより象徴的に、でしかないかもしれないが。


・他人の代わりに夢を見るという職業。
「悪夢引き受けます」