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Inspiral Carpets 「Devil Hopping」
The Stone Roses と並ぶ 90年代初頭マンチェスターの雄、Inspiral Carpets
解散までのスタジオアルバム、シングル・コレクション、初期楽曲のコンピレーションなど
ほぼ全てのアルバム を持っていたのに、
スタジオアルバムの4作目「Devil Hopping」のみ持っていなかった。
いつでも買える、そのうち買おうと思っているうちに30年以上経過していた。
その間、DiskUnion やレコファンやブックオフの店頭で何度も見かけていた。
でも毎回『いつでも買える』のまま。もう少し安かったから買うのに、とか。
また聞きたくなってこの機会に買うかと思って探すも、今となってはなかなか出てこない。
amazon では国内盤帯付きだと2,000円越え。
いつのまにそんなことになっていたのか。
当時リアルタイムに国内盤が発売されてそれっきり。再発もされてないしなあ。
そこまで忘れ去られてはいないが、再評価著しいということもない。
The Dorors が引き合いに出される、オルガンが前面に出た当時としては珍しいバンド編成。
他、ヴォーカル、ギター、ベース、ドラムの5人組。
もっさりといなたく、ピャーピャーと鳴るオルガンがサイケデリックと言えばサイケデリック。
個々の楽器が直線となってぶつかり合うような、
だけど向き先が合えば爆発して猪突猛進となるような。
そんな不思議な一体感があった。
ダンスミュージックのグルーヴというのではなく、
勢いに乗って騎馬戦で勝ち進むグループとでもいうか。
本人たちとしてはいたって真面目な直球勝負なんだけど
直球のロックではなく、2・3球放り込んだ癖玉感の方が印象としては強い。
そういう意味でつかみどころがなく、当時物足りなく感じた人が多かったのではないか。
1作目「Life」(1990)とシングル ”This Is How It Feels” が時代を表す音となるか。
これはこれで当時のアンセムのような。
でも今聞くとまだバンドとしては発展途上で1枚通して聞くのが正直辛い。
2作目「The Beast」(1991)は暗くてぼんやりして、
勢いのある曲は冒頭の ”Caravan” ぐらいだけど、表題曲などメロディ重視で名曲が多い。
3作目「Revenge of the Goldfish」(1992)は
サンディ・スコグランドの写真を取り上げたジャケットが目を引く。
彼らのストレンジな個性を表していて秀逸。
1作目の勢いと2作目のメロディをかけ合わせて、やはりこれが最高傑作か。
4作目までを含む「The SIngles」(1995)でそれまでの歩みを俯瞰できて
どういうバンドにしていくかの試行錯誤がそのまま粗削りながらもユニークな楽曲制作となった
初期デモ集「Dung 4」(1989)
やはり4作目までを含むBBCライヴ音源を集めた「Radio 1 Sessions」(1999)など
カタログが幅広く充実していたから、
4作目「Devil Hopping」(1994)にはどこか付け足し感を感じてしまっていたのだろう。
ヤフオクで1,000円以下で見つけることができて購入。
”I Wnat You” や ”Saturn 5”といったシングル曲はもはやお馴染み。
一聴して悪く言うと一本調子、よく言うと猪突猛進ここに極まる。
4作で最も攻めたアルバムになっているが、どこに向かっているのかがわからない。
彼らの目指した音楽性がこうなんです、と言えばそれまでだけど、それが聞き手と共有されない。
毎年のようにアルバムを発表して進化を続けていたが、ここで頭打ちになって解散となったか。
(その後再結成して2014年にセルフタイトルのアルバムを出しているが)
悪くはないんだけど、2作目・3作目ほどではない。
今聞くと、サウンドの要は表向きはオルガンなんだけど裏側はベースだったんだなと思う。
ゴリゴリとして突き進む部分と、もっさりといなたい部分と。
目立たないところで緩急自在に引っ張っている。
一方でギターとドラムに特筆することがない。
それがこのバンドが今一つブレイクすることのなかった原因なのかもしれないと思う。
いいバンドではあるんだけど、永遠の2番手、3番手というような。
当時のマンチェスターの異様な盛り上がりをつくったのはあくまで
The Stone Roses のインディーギターポップとダンスミュージックのクールなマインドを
組み合わせた奇跡的な音であって、
Inspiral Carpets はちょうどよくそこに居合わせだけ、のように思えてくる。
そのどこかトホホな感じもまた、彼らの魅力のひとつ。