初めてのグアム その5

12日の続き。
ウェディングパーティーが終わって、15時過ぎ。
夜は皆で食べようと新郎が予約してくれる。
ホテルのオープンバーを会場にしての「サンセットBBQ」
これが18時からで町に出て戻ってくるには時間が足りない。
結婚式で疲れたということもあって、
ビーチの椅子に寝っ転がってゆっくり過ごすことにする。


下りていくとプールもビーチもチラホラと空いている。
ギュウギュウなのかと思いきやそうでもなかった。
受付のブースでルームナンバーを伝え、
利用の手続きをして右手首に利用証的なものを巻いてもらう。
無料のバスタオルを借りる。
オープンバーでモヒートをオーダーして、
ビーチのデッキチェアにバスタオルを敷いて寝そべる。
波の音、家族連れが水に入って遊ぶ音、ゆっためのレゲエだとかスカコアだとかビーチな音楽。
ああ、そういえば、水着を持ってこなかったなあ。持って来ればよかった。
モヒートを飲みながら、ボケーっとする。
空は曇りがちで時折通り雨が。
バスタオルをかぶってそのうちに寝てしまった。
夢うつつのうちに、贅沢な時間だなー、と思う。
モヒートは一杯20ドルだったか。でもまあいいや。


起きると隣にいた妻がいなくなっていて、それでもまたぼんやりと。
17時を過ぎて妻のお義母さんと一緒にビーチに下りてくる。
3人で砂浜に下りて波に足をつけてみた。
冷たくもなく、ぬるくもなく。透明で何の濁りもない。
次またグアムに来ることがあったら
予定を入れずに一日中こんなふうに寝そべって、カクテルを飲みながら本を読む、
そんな過ごし方をしたいと思った。


それが急に。
高校のクラスメイトから facebook と LINE にメッセージが入って、友人が亡くなったと。
別の同級生からも連絡が来て16日に火葬だと。
こちらで火葬をして、通夜や告別式は青森で行うのだろう。
この後、何人かとやりとりする。
facebook に友人の上げていた内容を思い返すと、SOSを発していた。
でも誰もそれを受け止めることはできなかった。
もちろん、僕も。
向こう側に渡る準備をして、既に渡ってしまっていた。
その後しばらく、途絶えていた。
16日、行くことにする。


一度部屋に戻って、物語講座の講評のとりまとめ作業。
18時には間に合わず、妻に先に行ってもらう。
会場は暗くなっていて、ステージの上でギターとベースが演奏していた。
BBQは自分たちで焼くのではなくて、既に焼いてあるんですね。
ビュッフェ形式。スペアリブであるとか照り焼きチキンであるとか。
腹いっぱいなので肉はほとんど食べず。
(単純に、昨晩の Terry's の方がおいしかったということもあり)
ロブスターを焼いたのや、茹でた海老やムール貝を氷の上で冷やしたのを食べた。
飲み物はバドワイザー。店員の女の子を呼び止めて何度もおかわりする。
なんかグアムでビールというとバドワイザーやバドライトが多いですね。


ステージでは女性はフラダンスのような踊りを。ポリネシアンダンスというのか。
男性はチャモロ族の民族衣装なのかな。
槍のようなものを持ち、ライオンキングを思い出す。勇ましくステージを駆け巡った。
一度客席が明るくなって、まだ少年と言っていい若さの踊り手数人が客席を回って、
竹を折って起用に魚をつくった。
また暗くなってショーの続き。
たぶん何かしら構成、ストーリーがあるんだろうな。
男性と女性が交互で、あるいは一緒になって。
男性側もコミカルにヤシの実を割ろうとしたり、勇猛なものに戻ったり。
生で叩くパーカッションの音がよかったな。


後半、お待ちかねのファイヤーダンス。
両端に火のついた松明を最初は一本で、それを空中に投げ合ったり。
床に仰向けになって足に挟んだり。
すげーと思いながら見ていたら次は両手に一本ずつ。
右手でクルクルと回しながら左手のを空中に投げて受け止めたり。


終わるとまた女性ダンサーたちが出てきて、
客席からアトランダムに引っ張ってきてステージに上げる。
僕も指名されてしまった…
女性ダンサーはステージの隅で腰を左右に振ったりお尻を突き出す踊りをレクチャーするが、
ほぼぶっつけ本番。
ダンサー一人ずつ、従えた老若男女の一人か二人と前の方に出て踊る。
僕の番が来る。ぎこちなくなんとか見様見真似で、ついていくのが精いっぱい。
これかなりバドワイザーを飲んでなかったらできなかった。
最後にステージの皆が前の人の方に両手を乗せて長いニョロニョロとした列をつくり、
客席に下りていって間を練り歩いて一周して終わり。
カメラマンが撮影して台紙に張った写真を帰りに買う。
行楽地によくありますよね。15ドルと高かったけどこれもまた記念に。


20時過ぎ。もう少し飲もうかとなる。
12階に旅行会社が貸し切ったラウンジがあるという。
そのチケットをチェックインの時にもらっていた。
軽いおつまみが用意され、ビールとワインが飲み放題。
それはいい、しかし混んでるだろうなーと思いきや、行ってみると僕らだけ。他に誰もいない。
その理由の一つがエアコン効きすぎで凍えそうなくらい寒いということ。
係の女性の方が一人だけいて、何枚も重ね着していた。
聞くとホテル全体の設定になっていて、この部屋だけ温度を上げたりすることはできないのだという。
妻が片言の英語でこの方と会話を交わす。
フィリピンから来ていて、男の子が5人だったかな育てていて、勤務は6時間だと。
こんな冷凍庫のような場所で毎日。
夜働いて、朝は子どもたちと過ごす。
ビールは桶の中に氷を入れて、バドワイザーハイネケンスーパードライと各種揃っている。
しかしさすがに飲む気になれず。白ワインにした。
21時のクローズまで、義父母と4人で過ごした。


部屋に戻ってきてお風呂を溜めて入る。
NHKをつけたら『チコちゃんに叱られる』をやっていた。
夜景を見ようとベランダに出たら、大音量の音楽が。
どこかのホテルでさっきのようなショーをまだやってるのかと思いきや、下の階だった。
どこの国かわからないけど、賑やかな話し声、笑い声が。
それが夜遅くまで続いた。
まあそういうこともあるかとベランダは閉めて過ごした。


1階の店でスーパードライの6缶パックを買う。7ドルチョイなので安い。
義父母の部屋に持っていってお裾分けするが、そこでは飲まずに帰ってくる。
寝たのは午前0時過ぎか。