休憩に入る。リングの上には横長の台が置かれ、さらにその上になにやら白い箱が。
イイダ君曰く、「今日猪木の誕生日だから、絶対出るよ」
「おー!?」と思う。猪木を生で見るのは初めてだ。素直に嬉しい。
トイレに行って並んでいてもあちこちで猪木の話が。どうやらほんとらしい。
会場が暗くなって司会が猪木の入場を告げると場内大歓声。
ロッキーのテーマ並みに昂揚感のある猪木のテーマが流れると
この僕も「ウオーッ!!」と盛り上がる。
ああ僕も日本人なのだなあとしみじみ思う。
猪木登場。第一声はもちろん「元気ですかー!!!」という例のあれ。
テレビで見てるとなんとも思わないが、生だとさすがに感動する。
白い箱の中身は予想通りバースデーケーキ。
「一気に消せー!!」と野次も飛ぶが
今年62歳となった猪木にはそれだけの肺活量はないようで。
かなり時間がかかる。これはまあ仕方ない。
入場の際に等身大のネズミの着ぐるみかぬいぐるみが一緒に運ばれてきていて、
なんだろうと思っていたら
2月20日同じ日に誕生日である長島茂雄へのプレゼントなのだという。
よくわからんがハツカネズミということらしい。
長々と時間をかけて腹の部分にメッセージを記入する。
会場に来ていた同じく2月20日誕生日の人には
リングの上で猪木から直接プレゼントを、なんてイベントもあった。いいなあ。
最後ももちろん「1.2.3.ダーッ!!!」
僕も身を乗り出して「ダーッ!!!」とやる。
よかったよかった。
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後半戦の1試合目は長州力 vs 西村修。
僕は知らなかったが、西村修は長州力のことを心の底から憎んでいるようだ。
パンフレットを読むと「あいつのせいでガンになった。全人類の中で1番嫌いだ」
みたいな発言が書かれている。なので因縁の対決。
まあ、お約束ですね。どこまで本当かははっきり言ってどうでもよく、
この「前提」により試合がどれだけ迫真に満ちたものとなって盛り上がるかがポイント。
・・・なんて思っていたのであるが、実際に2人ともマジだったようで
怒り狂った長州力が西村修をぶちのめして終わり。
開始5分で西村は額を割られて顔面血だらけ。終始押され気味。
長州力の格の違いを感じた。50を超えた人間とは到底思えない。
リング下で暴れまわった長州が一応反則負けってことになって
両者痛み分けっぽい終わり方をしたんだけど、
これでは西村修はかなりかっこ悪いだろう。
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後半戦2試合目。4対4の勝ち抜き戦。非常に豪華なメンツ。
棚橋弘至、中邑真輔、佐々木健介、永田裕志
VS
長井満也、中西学、鈴木みのる、蝶野正洋
蝶野率いるブラック・ニュージャパンと新日の本隊との決戦という趣旨。
新日を離脱した佐々木健介が先鋒となると
蝶野正洋も急遽先鋒となり、いきなり熱い戦いが繰り広げられる。
蝶野って良くも悪くもうさんくさいんだけど
健介相手だからかなかなかいい試合をした。
恐らく筋書き通り、両者引き分け。
その後目立ったのはやはり中邑真輔とパンクラスの鈴木みのる。
中邑真輔はすごい。初めて見たけどこれは逸材ではないだろうか。
(今さら僕が言うまでもないが)
体のキレが違うし、技に対するセンスが全然違う。
「すげー」と口開けて眺めてしまうこと多々あり。
逆に鈴木みのるはなんだか得体のしれない強さとその存在感。
実際強かった。最後は鈴木がしめて蝶野組の勝ち。
鈴木みのるは試合前は首から上を真っ黒なタオルで覆って不気味な雰囲気を醸し出してるんだけど、
いざ試合となると太めのモヒカン(なんと言うのか今忘れた)ってのがダーティーでかっこいい。
中邑真輔と鈴木みのる、この2人は今後も気になりますね。
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最後はタイトル通り、「IWGP vs 三冠 両ヘビー級選手権」
小島聡 vs 天山広吉の試合。
始まる前にチャンピオンベルトの引渡しなどの儀式があって、猪木が開催の挨拶。
このとき猪木が小島聡を「さとし」ではなく「さとる」と呼んだのは
全日本プロレスを軽く見て挑発するためか(あるいはマジボケか)。
これはテレビの実況中継を見た人なら分かると思うが、すごい試合だった。
僕ごときが言葉を尽くして書いても全然伝わらないぐらい、すごかった。
正に「死闘」見れてよかった。見に来てよかった。
小島聡が終始押してたんだけど、天山もずっと堪えて。
どんなにヘロヘロになっててもカウントを取られれば必ずワンかツーで返す。
(ツーを待たずにワンで返す辺りにこの試合の真剣さが伺える。下手にショーアップする気なし)
なんかもう始まり方からして違ってて、
本気だからそうそうすぐには組まないんだよね。
相手の出方をじっと伺っててジリジリと横に動いては間合いを見計らって、
ようやく相手の指の先を掴んで、絡めて。がっつり向き合って。
天山が両手で小島の肩にチョップをくらわすと小島も負けずにビンタ。
リングの下に投げ出して投げ出されて殴り合い。
ロープにぐったりしているところにコーナーポストに上がって真上から・・・。
どこに体力が残されてんのか?と不思議に思うぐらい最初から最後まで投げ技の応酬だったなあ。
60分一本勝負で59分40秒ぐらいに天山の負け。
力尽きた方が負けってことか。
それにしても小島聡は強かった。
アドレナリンの固まりのようだった。
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その後イイダ君と両国ってことでちゃんこ鍋を食べようということになっていた。
しかし国技館近くの店は霧島がやっているという店を始めどこに行っても満員。
フラフラと遠ざかっていってようやく普通の居酒屋に入る。
ちゃんこ鍋ってことになっていたけど、なんか普通の寄せ鍋。
まあいいかと思って食べる。
(結局、ちゃんこ鍋と寄せ鍋の違いって何?気分の問題?)
霧島の店のちゃんこって豪華そうだ。いつかまた行ってみたい。