そして次に、第2のメイン・イベント。
チームに分かれて「猫」をテーマにした曲作り。
2階の部屋に集まって、作戦会議・曲作り。
歌詞担当の僕が最初のアイデアを出して、半分ぐらいを僕の案で。
こんな歌詞になった。
「わたしは猫 あなたは犬
追いかけられると逃げたくなるの
でも本当はあなたが好き
つかまえられたら どうなるかしら
追いかけて 追いかけて
私のしっぽ 手が届かない
あなたは猫 わたしは犬
追いかけても逃げていくの
でも本当にあなたが好き
追いかけて 追いかけて
あなたのしっぽ 手が届かない」
E→F#7→A→Eとコードを循環させる簡単な曲。意外とすぐ、出来上がる。
練習しますかってなって、「じゃあオカムラさんは何演奏します?」と聞かれる。
え?なにもできないよ。
「まあまあそんなこと言わずに」と
誰かが持ってきた子供用の鉄琴を叩くことに。
曲の間、E→F#7→A→Eをひたすら一定のリズムで叩く。
1番と2番の間には同じフレーズのままだけど、ソロも披露。
ベースもギターもすぐ挫折して人前で楽器の演奏なんて小学校以来?
まさか苦手としていたことと大人になって出会うとは。
これ、素面だったらできなかったなあ。
お披露目の場も無事終了。なんとかなった。
他のチームはオジー・オズボーンとジミヘンを強引にミックスしたカバー、
「Eオーギュメントってどんな音?」「ビートルズの「Oh Darling」の出だしがそうみたいよ」
ってことで、そのカバーに始まるオリジナルなど。
他2チームは完全オリジナル。
よくもまあこの短期間にきちんと仕上げるよね。
しかもどのチームも笑いを取って、みんなが腹抱えて笑って。
なるほどなあ、と思った。これは楽しい。
楽器ができたらもっと楽しいんだろうけど、
楽器ができなくてもダンボールを叩くとかいくらでもやりようがあって。
そのアバウトさ、というか懐の深さ。
この頃から皆かなり酒が回ってて、脱落者が出始める。
そんな状態で、ウィンクキラー。
僕はこれ、今までの人生でやったことがなかった。
「まいったなあ。こういうの絶対苦手」と最初のうちは逃げ出すことばかり考える。
そうもいかなくて、輪に加わる。
知ってますか?ウィンクキラー。
・クジでキラーを決める。
・みんなで談笑する。キラーは目の会った人にウィンクを送る。殺したことになる。
・殺された人は、即時ではなく、ある程度遅れたタイミングでバッタリと倒れて輪から抜ける。
・誰がキラーか分かった人は手を挙げて告訴する。
外れたら、告訴した人と告訴された人の両者が輪から抜ける。
・告訴を免れて、全員を殺したらキラーの勝ち。
・今回は人数が多いので、シャドウを導入する。これもクジで決める。
(お互いに誰がキラーで誰がシャドウか分からないので、勘のいい人じゃない限り共謀できない)
・キラーはシャドウを殺せるが、シャドウはキラーを殺せない。
トランプで、ジョーカーを引いた人がキラー、スペードのエースを引いた人がシャドウとする。
最初の回はキラーにもシャドウにもならず、余り人と視線を合わせないようにしてやりすごす。
それが2回目早々にキラーを引いてしまい。
ぎこちなくウィンクしていたらすぐにも見破られてしまった。
その後、何回かしてまたキラーが回ってきて。
やってるうちにコツが分かってきて、面白くなってくる。
心理的な駆け引きが全て。むやみやたらとウィンクしない。
この人勘付いてるかも、って人にはしばらくウィンクしない。
場の雰囲気を読む。何かが起きて盛り上がっているときにまとめてウィンクする。
皆で探り合ってるときにはウィンクしない。
アトランダムに、一定期間ウィンクしない。
こんな感じでやってたら2回連続してキラーになった2回とも、最後まで残って勝ち。
名勝負とまで言われる。こういうの嬉しいよね。
なんかトランプの大富豪に似ている。ひょんなことから、得意なゲームが増えた。
やってみるもんだ。
気がついたら午前3時。
知らぬ間に寝ちゃってた人もちらほらと現れ、お開き。
露天風呂に入って出てくると1階のリビング兼ダイニング・キッチンはには布団が敷かれている。
余った食材で一品作る人がいて、最後余っていた缶ビールを僕がもらう。
結局寝たのは4時頃か。早い者勝ちで2階の寝室へ。