平日朝の公園

水曜なので、今日も代休。
朝起きると曇っていてさほど暑くなかったのでジョギング。
公園の入り口からジョギングコースに入ると大量のミミズが干からびて死んでいる。
道路を渡って向こう側に行こうとしたのか。
それともただ単にそこから逃れたかったのか。
他の場所よりもはるかに多くて、見ると「昆虫原っぱ」とある。
土が他よりもいいのか。


ミミズにも生命があって、光を感じるだけの原始的な知覚がある。
生まれ変わったらミミズになっている、ということもあるかもしれない。
ずっと土の中にいて育って、あるとき光を感じて地上に出てもそもそはい回る。
アスファルトに出て引き返せない。
踏まれて、干からびて、死ぬ。
そんな仲間が周りに、何十、何百といる。
海に飛び込むレミングを思い出す。

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陸上競技場では朝、お年寄りの同好の士が模型飛行機を飛ばし合っている。
簡単な枠組みに和紙の羽とプラスチックのプロペラをつけたような。
手製の器具のようなもので打ち上げる。
まっすぐ高くは飛ぶが、バランスが良くないのかよじれてグルグル回りながら落ちてくる。
スーッと飛ぶものは少ない。


時々、木々に絡まった飛行機を回収するために伸縮自在の棒を伸ばしているのを見かける。
棒の先にUの字型のがくっついてるんだったか。葉の先をちょいちょいして落とす。


若い人は見かけない。年配だけ。
駄菓子屋で300円とか500円の模型飛行機を買って飛ばしたのは僕らの世代が最後なのだろうか。
まだ売ってはいるんだろうけど。原っぱがない。

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芝生の広場では近くの幼稚園か保育所の園児が見守られながら遊んでいた。
男の子も女の子も赤い帽子をかぶっていた。
暑いだろうな、蒸れないのかな…
というのは大人の発想か。


この日、この公園で何を見つけるのだろう。
あの頃は毎日が発見だった。
毎日、この世界と出会い直していた。
言葉にならないものでこの世界を捉えていた。