初めての京都 その3(2日目)

7時頃目を覚まし、8時まで布団の中でウダウダ過ごす。
鼻が詰まっている。というか鼻水が止まらない。
何度も鼻をかむ。起きて鼻をかんでまた布団の中に入っての繰り返し。
花粉症か!?・・・花粉症だ。遂に来たか。
昨日飲み過ぎたからなあ。
血行がよくなって血管が広がってるかなんかで
酒を飲んだ次の日は薬を飲もうが全然効かなくて
鼻水が止まらなくて大変なことになっていた。毎年の傾向として。
レーザーで焼いたのでこれから何年かは楽に過ごせるかと思っていたのに、
2年目にして効果なし。がっくし。


昨日はビールを何杯も飲んで焼酎の後はずっと熱燗だったのに、二日酔いになってない。
思えば昨日はほとんど酔わなかったなあ。ほろ酔いのまま最後まで過ごした。
いくら10年来の付き合いで気心の知れた友人と飲んでいても
旅先だから心が引き締まってんだろうな。


1階のロビーに下りて行って、朝食。
ホテルのサービスでおにぎりと漬物と味噌汁が無料。
これであとは鮭の塩焼きや玉子焼きがついてたら言うことない。
特に理由は分からないが、ホテルで食べるバイキング形式の朝食で出てくる
炒り卵って好きなんだよなあ。
旅してるというかホテルに泊まってるという気分になる。


チェックアウトしてホテルの外に出る。
五条駅から地下鉄に乗って京都駅へ。一駅。
改札を出てボストンバッグとスーツの入った鞄を地下のコインロッカーに預ける。
(そういえば昨日は大阪駅でコインロッカーが無くて探し回った)
小銭が無くてキオスクでティッシュペーパーを買ってくずそうとしたら
キオスクのおばちゃんがつり銭が足りないと困った顔をした。
1000円札に500円まで混じってお釣りを返してくれた。あれはすいませんでした。


観光開始。
新幹線は16時。それまで1人で京都のあちこちを見て回る。
大阪に行くときにも買った「ミーツ・リージョナル」の別冊の京都版ということで
今回は「もう一度知るいい寺、いい店。これが全てです。京都本」というのと
世界遺産をあそぶ京都本」というのを東京駅の本屋で買って持ってきていた。
世界遺産をあそぶ・・・」を読むと京都には実に17個もの世界遺産の寺社があるようだ。
これを全部回ってたら4日か5日はかかりそうだ。
京都ビギナーということで今日は
清水寺銀閣寺が見れたらいいかなと思う。欲張らない。またいつか来ればいい。
(それにしても「ミーツ」のガイドブックは非常に秀逸ですね。
 洗練されてて、情報量が適切で。東京にもこういうのほしい)


まずは清水寺へ。京都の西側。
地下鉄で行こうかと考えてたんだけど地図を見たらないんですね。銀閣寺もそう。
当たり前か。地下鉄の駅から降りて3分で清水寺に行けたりしたらなんかおかしい。
歩いていくのでもいいが、時間がかかりそう。
・・・ってことでバスに乗る。
京都駅前のバス乗り場へ。
たくさんありすぎてどれに乗ればいいのか最初のうち困ってしまう。
京都は市民の足としても観光用としてもバスが充実してそうだ。
行き先に清水寺と書かれているバス停の列に一般市民と混じって並ぶ。
僕のような観光客もちらほらと見つかる。
たとえガイドブックのようなものを持っていなくてもすぐにわかる。


バスが到着する。
乗り口が後ろにあって、こういうタイプ初めて。
青森で乗ってた市営バスは車体の真ん中に乗り口があって、降り口が前方にあった。
乗るときに整理券を取る。
降りるときに頭上の掲示板を見て整理券に書かれた番号の金額を払う。
上京してきたとき、乗り口が前方で降り口が中央と逆転していて
整理券はなし、乗るときに一律の金額を払うということを
知って、体験して、かなりカルチャーショックだった。
それ以来実はバスがちょっと苦手。東京ではよほどこのことが無い限り利用しない。
そんな僕が後ろに乗り口のついたバスを見たとなると
一見平静を装っていても心臓はバクバク。
整理券はないのか?じゃあいくら払えばいいんだ?
乗り込んだ後も落ち着かなくなってしまう。
なんにせよ知らない街でバスに乗るってはなかなか難しいものである。


バスがゆっくりと走り出す。
三十三間堂の前を通り過ぎる。
いつのまにか雪が降り始めている。
粉雪が風に舞っている。
京都は雪が多いんだよな、ということを思い出す。
でもそれは日本海側なのか、それとも京都市外もなのか。
もしかしたら年に何回かしか見られない雪の京都を僕は見たのか、
それとも雪は一般的な物事なのか。
雪が振り出しても誰も何の反応もしないので、
いつものことなんだろうなと結論付ける。


どこで降りればいいのかよくわかっていない。
まあ清水寺付近でたくさん乗客が降りるでしょうと考える。
実際その通りで、バスのアナウンスもあって、
ちょうどいいところで降りることができた。
繁華街を離れた、田舎町のような風情。
普通の日本の田舎。情緒溢れる古き良き日本の佇まいってのではない。
他の観光客が向かう先にきっと清水寺があるのだろうと
くっついて横断歩道を渡り、坂を上り始める。
茶わん坂。道の両脇に店が開いているのだが、シーズンや9時前という時間帯だからか、
どこもやる気が見られず。
店先に焼き物や扇子を置いて後は埃をかぶるのも構わずといった感じ。
ほとんどの店が煤けてるような印象を受ける。
こんなんでいいのか京都は?と他人事ながら心配してしまう。
もちろん欲しいものなど何もなし。
「舞妓体験」なんて看板もあちこちで見かけるが、
実際に「キャー」と思ってやってみる女性はどれぐらいいるものなんだろう?