屋形船に乗って夜桜見物②

目の前には会席料理がずらりと並んでいる。
黙々と食べ続ける。外の桜も眼中になし。
(僕はこの日朝も昼も食べず、ひたすら腹を減らそうとしていた。
 前日までの暴飲暴食で腹いっぱいの状態がずっと続いていた。。。)


メニューを書き写す。


■先付
鰆の田楽風焼きもの
菜の花とゼリーの不思議な味わい
本日のおすすめ小鉢


■サラダ
春野菜のサラダバリエ


■季節の一品
浅利の酒蒸し


■御刺身
真鯛、鮪、サーモン、かんぱち、アオリイカ、帆立、蛸


■天麩羅
穴子、海老、キス、生海苔のかき揚げ、たらの芽、筍、アスパラ


■御飯物
豪華海鮮ちらし


鍋物
カワハギと渡り蟹のうどんすき


■香の物
季節のお漬物色々


■デザート
チョコレートケーキ バリエアングレーズソース


僕はずっと天ぷら食い放題だと思っていたのだが、どうもそうではなかった。
というかこれだけあったらいくら食っても食いきれず。
最初のうち出ていたものは全部きれいさっぱり平らげていたが、
鍋やちらし寿司は結局残した。
ケーキももちろん誰か女の子にあげてしまった。


天ぷらは、まあ、天ぷら屋で食べた方がうまいんだけど
揚げたてが次々に出てきてそれを船の上で食べられるのだからそれだけでもう満足。
刺身も青森で食った方が断然うまい。でもそれを言い始めたらキリがない。
僕としてはむしろ「うどんすき」の方がよかった。
カワハギを1人で食ってうどんも1人で食っていた。
生海苔のかき揚ってのは初めて食べた。ご飯が欲しくなった。


酒は飲み放題。
持ち込みOKってことだったので
僕は家から「田酒 山廃」を持っていく。2月に親戚からもらったもの。
いくら手に入りにくい銘酒とはいえ家で1人で飲むのも気が引けるってことで
今回のような機会が来るのを待っていた。
一升瓶を鞄に入れて持って歩くのはさすがに重かった。
でもその甲斐あって、いやーうまかった。
水のようでいくらでも飲める。やばい。
また手に入んないかな。。。


船は隅田川をひたすら北上していく。
勝鬨橋を初めいくつもの橋を潜り抜けて行ったようなんだけど、気が付かず。
誰かが窓の外の桜並木に気付いて歓声を上げたとき、僕も「どれどれ」と眺めてみる。
金曜に千鳥ヶ淵の見事に咲き誇った桜を見たすぐ次の日だったので
あんまり「桜」という気にはならない。
「うーん、この程度かあ」とボケーッとした感想を抱く。


浅草の、去年の夏、隅田川の花火を見た公園の脇を通り過ぎて懐かしい気持ちになる。
この頃、小さな船が横付けして漁師のおじさんが窓越しに話しかけてくる。
何かと思ったら佃煮売りだった。後輩の女の子がオキアミの佃煮を買う。
その場で開けて食べてみる。
ご飯にかけて食べるものなので直接食べたらしょっぱかった。