first / last

最近の持論なのであるが、「優れた」ロックバンドの基準のひとつとして
ファーストアルバムとラストアルバムがどちらもいいバンドってのがあると思う。
2枚しか出してなくて2枚目がラストアルバムだというのはさすがに省く。
なので5枚以上出したバンドで考えたい。


例えば、The Police , Talking Heads , Roxy Music , The Doors などなど。
たいがいの凡庸なバンドはインディーズでアルバムを出すなりメジャーデビューしたりして
その後何年か活動していく中でたいがいはモチベーションが下がって解散する。
という中で、
①ファーストアルバムは勢いがあっていいけど、
 ラストアルバムではかなり失速しているというパターンや
②ファーストアルバムはしょぼかったけど、
 どんどん成長していって最後にはかなりのところまで達したというパターンがありえる。
もちろん、
③最初から最後までパッとしないアルバムばかりなんだけどヒット曲が1曲だけある、
 そんなバンドも星の数ほどいる。
そのバリエーションとして、
④長い活動の歴史の中で最初も終わりもイマイチだが、道のりの途中でピークに達する瞬間があった。
 というバンドだってある。


②なら十分良質なバンドなんだけど、人の心に残るのは①だったりする。
初期衝動だけの伝説のファーストを残し、そこから先はそれをどうしても超えられないという感じ。
例えば、 Gang of Four であるとか。
②で今思いついたのは、例えば Steely Dan とか。意外にビートルズもそうかもしれない。
④だとビーチ・ボーイズなんかがそうではないか。実はプリンスも。ピーク長すぎだけれども。


という中でファーストもラストもいいバンドというのは傾向的にどんななのかというと
最初から個性が確立されまくってて、
なおかつそれを変化させていく・成長させていくことになんのためらいもなかったバンド
ということになる。変容し続けるか、深めるか。
Talking Heads, Roxy Music は変容し続けた方で、
The Doors は深めていった方にあたる。The Police はその中間か。
変容・深化と言っても全然別なバンドになるってことではなくて、
一聴して「ああ、あのバンドだな」と瞬時に分かるのがポイント。
ボーカルの声を聴けば分かるというだけのレベルではなく、バンドの音の佇まいとして。


といったことを考えていくと、
これらのバンドもすごいんだけどもっと凄いのは7枚・8枚という単位ではなくて
30枚ぐらい出しておきながらファーストも途中もラストもすごいことになっているという場合で、
フランク・ザッパってもうそれだけでもすごいなあと感心させられる。
日本だったらサザンか。