「チャーリーとチョコレート工場」

22日の映画部鑑賞会、午後の部。
チャーリーとチョコレート工場」を見に行くことになっていた。
事前に調べてみたら21日の金曜日で都内の上映はほぼどこも終了。
(なんで打ち切り?東宝のサイトでは5週連続興行収入1位だったのに)
いくつかの映画館にてなぜか吹き替え版が残っている。でも吹き替えじゃなあ・・・と思う。
たった一箇所新宿のピカデリーで字幕でやっているというので行ってみたら
44席という小さなシアターであるため満席。整理券も配布終了。立ち見。
(ここの映画館は去年も「ミスティック・リバー」でこんなことがあったな)


部員を引き連れてとりあえず歌舞伎町方面に向かう。
適当に見たくなったものを見るってことで。
コマ劇場の辺りはなんかのイベントが行われていたようで、ステージが組まれてとてもうるさい。
やってた映画は「シンデレラ・マン」「ベルベット・レイン
「ステルス」「私の頭の中の消しゴム」「ビューティフル・ボーイ」など。
誰に聞いてもこれと言ってどうしても見たいものはなし。
チャーリーとチョコレート工場」をやってたところが一館あって、でも吹き替え。
まあ、これにしますかと券を買う。中に入ったら対極的なまでに広い。
(ちなみに、「シンデレラ・マン」ってかなりつまらないらしいね)


吹き替え版ってことは要するにお子様向け。今に走り出しそうな子供たちの姿が目に付く。
ティム・バートンの映画を子供が見ていいものなのだろうか。
映像的には奇妙にひんまがったファンタジーであっても
ブラックな要素はシュガーコーティングされてるし、
トラウマになるってことはないんだろうけど、
ティム・バートン特有のあの味は子供には理解できるのか?


予告編では同様に吹き替え版の紹介ばかり。
「あ、そうか」と新鮮な気持ちになる。
子供向けに集めた予告編ってことになるんだな。
ジュマンジ」「スパイキッズ」の二番煎じみたいな映画が紹介されていた。
あと、「ハリー・ポッター


吹き替えで映画見るのって、久し振り。
昔、テレビで水野晴郎淀川長治荻昌弘がやってた番組以来か。
ジョニー・デップが吹き替え・・・。
ウンパ・ルンパたちの歌う奇妙なミュージカルも吹き替え・・・。
(原作同様、ロアルド・ダールが詞を書いている)
最初のうちは違和感ありまくりなんだけど、そのうちどうでもよくなってくる。
見終わる頃には「吹き替えだけど面白かったんだから、これって本物だな」と思うようになる。
映画そのものが優れているから、声が本人だろうと日本語だろうとたいした問題じゃなくなってくる。
そんなわけでこの映画は、とても面白い。よくできている。
ハリウッドの資本を使いまくって建てたと思われるあれこれ豪華なセットを見てるだけでも楽しいし
(こういうお金の使い方は好ましいです。とにかくバカでかいセットで奇妙奇天烈な場面の連続)
ビッグ・フィッシュ」同様、父と子・家族の物語となっているところが泣ける。
すごくストレートなストーリーで素直にハッピーエンドってのが何よりもいい。


六本木のヴァージン・シネマで見たら
チョコレートの匂いが出るような仕掛けなっていたようで、
もっと前に見に行っとけばよかった。
考えただけで甘ったるくて気持ち悪くなりそうだけどあの映画には合ってるんだろうな。
五感を使ってみた映画は嫌でも記憶に残りそうだ・・・。


なお、家に帰ってプログラムを読んでみたら
ウンパ・ルンパは1人の俳優がひたすら時間をかけて何十人分もの動きを演じているのを
合成しているのだそうな。セットや小道具も縮尺を変えたものを作って。
CGにしては動きが全然揃ってないし、でも体型はみんな一緒だし、と不思議だった。
見終わった後飲んでてもその話になった。
胡桃を割るリスもCGやアニマトロニクスだけじゃなくて、
百匹もの本物のリスを調教した末に撮影してるのだとか。
こういうこと本気でやってるティム・バートンってさすがだ。尊敬されるのもよくわかる。


音楽は嬉しいことにまたダニー・エルフマンと。
さらに嬉しいことにエンドクレジットを見ていたらオーケストレーション・スーパーヴァイザーとして
Oingo Boingo 時代の盟友 Steve Bartek の名前があった。