東京カレー屋巡り その4


好評なのかどうか知らんが、4回目。
週末、中央線沿線編。

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10月8日(土) 西新宿「もうやんカレー
ランチバイキング \980 ★★★★☆


大学の先輩タツジンさんとこの前名古屋に行ったとき、
お互い食った最近のうまいカレーってことで話していたらこの店の名前が出てきた。
「よく通ってる」とのこと。とにかく肉がうまいと。
通勤定期で途中だし、これは是非とも行かなくては。


行ってみたら単品のカレーは無くてランチバイキングだった。
夜はバーのようで、中央線沿線系の独自の味のあるバーって感じだった。
壁にはずらりと漫画が並んでいてその上の棚には無骨な焼酎の瓶が飾られている。
昼のランチだというのに揃いのバンダナ、エプロン(だったかな)をした
店員が5・6人割と広い店内にスタンバッていた。やる気と勢いあり。


単品ではマトンやネギのカレーがあるようなんだけど、
今日のバイキングはオーソドックスにポーク、ビーフ、チキン。
それに牛筋の煮込みがあった。バターライスに、ふかしたジャガイモもあり。
別のテーブルにはサラダやその他角煮っぽいのなどいくつか惣菜が並んでいた。
カレーにガツガツしてない常連客のためだろうか。これはこれでうまそうだった。
それで980円という値段は安い。安すぎ。


最初の皿ではポークとビーフを食べてみた。
ドロドロこってり欧風カレーで苦手な人も多いだろうけど、僕はこういうの大好き。
(さらさらしたインドカレーよりは断然欧風派)
「うめー」と思いつつペロリと平らげて次はチキンカレーに。
苦しくなるまで食べる。
近くに住んでたら毎週末通って、少しずつ味わって食べるのになー。
というか新宿に用があるときにまた来よう。


店内ではハワイ?のあっさりした音楽が流れていて、
モニターにはなぜか「元気が出るテレビ」の DVD の映像が。
テリー伊藤兵藤ゆき高田純次が当時の制作模様を語っていて、
その後ビートたけしによる傑作選。記念すべき初回の放送。
たけし若すぎ。肌のつやが違う。
客席の女性たちも80年代的なゴテゴテクルクルした前髪で。
そんで「こんなお嬢様がいたら嫌だ」とかそんなネタをやっていた。
元気が出るテレビ」の DVD 、僕も買おうかな。

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10月9日(日) 東中野カレーリーフ
昼のランチセット \1180 ★★★★★


新しい映画の撮影を始める。
本格的に人を集めるのは月末に予定。今日は風景撮り。
上り方面の総武線に乗って電車の窓から見える東京をビデオカメラで収める。
中野近辺で下りてカレーを、と考えたときに
「そうだ、是非ともあそこに行っておかなくては」と
東中野の「カレーリーフ」のことが頭に思い浮かぶ。
南インドのカレーの店。インド料理の店というのは東京なら各地にあるけど、
はっきりと「南インド」と打ち出しているのは珍しいようだ。
もちろん、本場で修業をして店を開いている。


これまた小さな店。
駅の近くにあるから分かりやすいけど、もうちょっと奥にあったら見落としそう。
アットホームな佇まいで、夫婦で切り盛りしているっぽい。


休日のみのランチセットを食べる。
胡椒?の入った炊き込みご飯にチキンカレーがかかった皿と、
(↑カレーが好きでもスパイスは全然詳しくない・・・)
揚げパン、2種類の「今日のカレー」のうち、ダール(豆のカレー)を選ぶ。
ヨーグルトが付いている。


揚げパンはもちろん揚げたて。千切ろうとしたら火傷しそうに熱くて、
カウンターの向こうのおばさんから「熱いですよ!気をつけて」と言われる。
この揚げパンが絶品。ナンじゃなくて揚げパン。
これをダールに浸して食べた。
ダールはオレンジ色と黄色の中間の色をしていて、クリーミーなのにあっさりとしている。
豆のカレーってこれまで何度か食べてきたけど、そんなにうまいと思ったことはなかった。
ここのを食べて初めて、「あ、おいしいものなんだな」ということがわかった。
そもそも普通に水がうまい。どこかの地方の山奥の水を特別に入手しているのか。
食べる前に水を飲んで「うまい」と感じた店なんてこれまでなかったよ。


夜限定の要予約メニュー「マドラスミールス」をいつか食べてみたいもんだ。
バナナの葉の上にカレーやライスが乗っかっている写真を見ると、とてもおいしそう。


なお、店内はなぜかヘヴィメタがかかっていた。
40代か50代と思われるご主人の趣味か。。。

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この日は、夜、映画サークルの後輩が企画して
笹塚にあるシチリア料理の店「無二路」へ行く。
これまたおいしい。たらふく食ってワインもたくさん飲んだ。


この後輩は僕なんかよりはるかにグルメで、おいしい店をたくさん知っている。
彼もまた、今、カレーに凝っているようで、
この前出た「CREA」のカレー特集に出ていた50軒を最初から1つずつ回っているのだという。
この「CREA」を次の日さっそく買いに行った。
監修はまたしても東京カリ〜番長の水野仁輔氏によるもので、
もうこの人抜きにはこの国のカレーは語れないみたいだな。
僕もかなり洗脳された。この人の薦めるカレーばかり食べてる。

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10月10日(月) 荻窪「すぱいす」
ほうれん草とカッテージチーズの骨付きチキンカレー \980 ★★★★☆


その「CREA」にて荻窪で取り上げられていたのが、ここ「すぱいす」
荻窪からはもう1軒「トマト」が紹介されている。「ナタラジ」もあったけど銀座店のほうだった)
山本益博氏絶賛。「dancyu」の昨年のカレー特集でも巻頭で扱われていた。


ここのことはいつも行く床屋のご主人から聞いたことがあって、もう3年以上前か、
「いいとこにお勤めしてたんだけど、ある日突然脱サラでカレー屋を始めたもんで、・・・」
というようなあれこれを教えてもらった。(誰もが知っている超大手広告代理店らしい)
結論として「道楽だよ道楽、親からしたらたまったもんじゃない」ってなことを言ってた。
「ふーん、カレー屋があるのか」ぐらいにそのときは思って、結局行かずじまい。
CREA」のきれいな特集に載ってるのを見て
「いかん!」「俺は何をやってんだ!!」と慌てて食べに行く。


おしゃれな店だった。椅子もカウンターも。
壁には4種類のスパイスが
1m四方のガラスの大きくて平べったいケースに詰められて飾られている。
カレーというよりはバーのようであるが、夜はおつまみを出す程度でやはりメインはカレーのようだ。
こんなきれいな店、道楽でやってるとは思えない。かなり本格的。


「オホーツクビール」ってのを取り扱っていて、とても気になったんだけど
昼だしカレーの味に専念すべきだし、やめといた。
今調べてみたら北海道の北見に本拠地のある地ビールのメーカーだった。
地ビールとしては日本で最初、とホームページに書かれていた。
「オホーツクビアファクトリー」ってのがあって、ここでのみ濾過前のエールが飲めるという。
いつか行ってみたいなあ、と思う。北海道うまいもの巡り。


カレーに話を戻す。
大きな皿いっぱいにヒタヒタとルーがかかっていて、麦飯。
検索して引っかかったページでは店主が「お茶漬け感覚で食べてほしい」と語っていて、
確かにお茶漬けのようにサラサラと食べられた。
カテゴライズしたらインドカレーってことになりそうだけど、
インドカレーではなく、欧風カレーでもなく。
言わば「すぱいす」にしかないカレー。


荻窪に誰か来たらここに連れて行くとするか。