東京カレー屋巡り その5

まだまだ続く。神保町はそろそろ食い尽くしたかな。

                                                                                                                            • -

10月11日(火) 神保町「七條」
ビーフカレー \900 ★★★★☆


いわゆる洋食屋のカレー。小学館の地下にある小さな店。非常に混んでいた。
味わい深い悪くないカレーなんだけど、
どうしても僕は「たいめいけん」のカレーと比較してしまう・・・。


会社の人たちと一緒に外に昼メシを食いにいく際に
「じゃあオカムラ君のお薦めのカレー屋にするか」ってことになって
近くではここと「櫓」がまだ行ってないなあと思い、
「洋風のカレーとインドカレーとだったらどっちがいいですか?」
と何気なく聞いてみたら先輩に「え!?・・・どう違うの?」と驚かれる。
そうかあ。そういうものなんだなあ。
世間一般的にはカレーはみんなカレーであってその中に種類ってないんだろうなあ。
逆の意味で、目からウロコが落ちる。
かと言って説明を求められて
「えーと、洋風がシチューみたいなやつで、インドカレーはサラサラなやつです」
と答えてシドロモドロになっている僕も、かなりなんですが。


オカムラ君行きまくってるらしいね、という話になる。
「・・・この前行ったボンディはどっちに入るの?」
「あれは洋風です」
即答できる僕の方が普通じゃないのか・・・。


で、七條。
カレーというものに心奪われてない「普通の人々」と一緒に食べるには
とてもちょうどいいカレーでした。欧風の方が親しみやすいはず。
カレー専門店ではなくて、洋食屋で食べる、ご馳走としてのカレー。
なのに先輩たちは食べている間無言で、店を出た後もうまいもまずいも口にしなかった。
相席で隣に座っていた人が豚の肩肉のごっつい大きなソテーを食べていて、
それは「うまそうだ」って話になる。
どうやら一緒にカレーを食べに行く相手を思いっきり間違えていたらしい。


その後歩きながらこんなことを聞かれる。
「洋風とインドがあるとして、じゃあ、家庭で食べるカレーはどっちなの?」
「家庭のカレーはそのどっちでもなくて、あれは家庭のカレーという別物なんです」
「わかんねー」
よくよく考えてみると僕もわからなくなってくる。
境界線はどこにあるんだろう?

                                                                                                                            • -

10月13日(木) 九段下「KANCHANA」
野菜カレー \950 ★★★★★


スリランカのカレーの店。
野菜カレーがうまいらしいというので頼んでみる。
「ナスとカボチャとどっちにしますか?」と聞かれて、ナスにする。
店員は一見日本人っぽいんだけどどことなく日本語がたどたどしく、
どういう縁があったのかこの店で修行しているのだと思われる。
僕のオーダーを聞いた後も店主のおばちゃんが
ああしてこうしてあーでもないこーでもないとあれこれ細かく指導している。


中は喫茶店のようで、店主のおばちゃんの趣味なのかヨン様の額縁が飾ってある。
マガジンラックに置いてあった SPA! を取って読もうとしたら
店主のおばちゃんが駆け寄ってきて「よかったら読む?」とスポニチを差し出す。
なのでスポニチを読む。読まないわけにはいかない。
そうか、日本はウクライナに負けたのか。ジーコが激怒して審判に詰め寄ったとあった。
日本はいいとこ何もない試合で、シェフチェンコ(僕でも知ってる)は出ていなかった。
新聞を置いてふと壁を見ると「携帯の充電できます ¥0」と小さな貼り紙が目に止まる。
とまあ、そういう店。アットホームな雰囲気と「自分の家」とを混同しているような。よくありますよね。
普通こういう店で出てくるカレーってのはうまいわけがないのだが、
なのにここのカレーはうまかった。まじで。笑っちゃうぐらいに。


ココナッツミルクがたっぷり入ってて、なのにスパイスとぴたっと調和している。
甘くもなくベタッとしてることもなく、カレーとしてのきちんとした爽やかな辛さがあって。
具材はナスとほうれん草とたまねぎ。
神保町でカレー屋巡りをしていて初めて「ごちそうさま」「おいしかったです」と口に出して言う。
おばちゃんの雰囲気ってのもあって、言い易かったのもあるんだけど。

                                                                                                                            • -

10月19日(水) 神保町「櫓」
マトンカレー \780 ★★★★☆


一見ごく普通のなんの変哲もない純和風居酒屋が
昼のランチメニューでインド風のカレーを提供。
(会社の人たちを引き連れて店の前まで行ったら、「ほんとにカレー?」と驚かれた)
木造の三味線が似合いそうな店なのに
厨房にはバングラデシュからきたという料理人がいてなんだかヘンな感じ。


辛さのランクはメニューでは5までしかないが、
激辛の7を頼んでいる集団もあり。
4を頼んだらそれなりに辛かったが、まだまだ全然いけるかなってとこだった。
激うまってほどではないけど、まあまあいける。
ホワイトカレーが有名(?)なのに日替わりだったため食べられず。残念。


チーズケーキのようでいてチーズケーキではない、
むしろラッシー味のカステラのような不思議な味わいの真っ白なデザートがついていた。
サラダにカレーでこの値段なら、悪くない。
付近のサラリーマンが入れ替わり立ち替わり現れて
定食屋で昼を食べるようにカレーを食べて帰っていく。


夜はにぎわっているのだろうか?


                                                                                                                            • -

10月21日(金) 神保町「新世界菜館」
カレーライス \900 ★★★★☆


神保町では割と有名な中華料理屋。
4階建てか5階建てのビル全部が「新世界菜館」で
ビルの向かいやその近くにも別の店舗を持っている。
(以前昼にバイキングを食べに行ったことがあるが、そんなにおいしくはなかった・・・)


前の日の夜は以前のPJで「社長賞」というのを受賞したお祝いで
賞金もあって、麻布十番の「叙々苑」で焼肉を死ぬほど食べた。
4,200円のロースであるとか、壷漬けカルビとか、松茸とか、蟹とか、
メニューを開いて「じゃあ、高い順から」ってな感じで。
こんな豪勢なことできるの、そうそうないだろうなー。
というわけで次の日の昼も腹いっぱいだったんだけど、
食べに行く機会があったので無理して食べに行った。


空腹じゃないので「食べる」という行為のありがたみはなし。
でも、十分おいしかった。ペロッと行ってしまった。
インド、アジア系カレーでも欧風カレーでもなく
ごく普通の家庭のカレーがちょっぴり中華風になってるという
僕的にはなかなか好きな部類のカレー。
温泉卵が乗っかってるというのもポイント高い。


他のメニュー、麺類もご飯ものもおいしそうだった。
また昼に食べに行こう。
上海蟹」の貼り紙が店の外にも中にもバーンと貼られていて、
まあ正直そんな美味いものとも思ってないんだけど、
季節ものなので「あー食べたいなー」と思う。


神保町で中華系のカレーと言えば「北京亭」ってとこもあって、
そこもそのうち行ってみたい。