ニューヨーク・バーク・コレクション

午前中、浜松町の病院で牽引治療を受けた後本屋でブラブラと本を眺め、
昼になると高校の友達と会って、
貿易センタービル38階の中華料理屋でランチを食べる。
ものすごく眺めがいい。目の前にはここ何年かで新橋方面に建った高層ビルと高層マンション群。
天気がよければはるか遠く川口の方まで見れるのだそうだ。
高校時代のことなどとりとめもなく話す。
お互い浜松町で働いているからってことでいつか昼を、と言ってて半年経ってしまった。
ようやくのランチも土曜日わざわざ出てきて。
昼飯を食うというのも意外とむずかしい。

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山手線でそのまま上野に出て、東京都美術館で「ニューヨーク・バーク・コレクション」を見る。
アメリカの裕福な日本美術コレクター、メアリー・バーク女史のコレクション。
第二次大戦後より蒐集を始め、その内容は縄文時代の土器から江戸時代の屏風まで歴史的に幅広い。
入ってみたらとても混んでいた。「え、こんな人気あるものなの?」と驚く。
ピカソゴッホじゃないのに、日本美術でも来るものなんだね。
まあ若い人よりは50代・60代の人たちが多かったけど。
若い人たちは僕みたいにJRなんかで配っていたチラシのセンスのよさに惹かれたか。
東京都美術館は芸大や美大の卒業制作の展示も行っていて、そちらもたくさん人が入っていた。


僕は仏像を見て心が和む類の人間ではないので、その辺りは素通り。
室町時代山水画の掛け軸を食い入るように眺める。
中国の人里離れた絶景や桃源郷を描いた、こういう水墨画けっこう好きだったりする。


そういえば中学の歴史の教科書に出てきた京都の「洛中洛外図」があった。
ものすごく大きな屏風。普通に飾られてたんだけど、
「洛中洛外図」って何種類かあるのだろうか?


展示されているコレクションを一言で言うと「センスがいい」ということになる。
ミモフタモナイけど。
つまり、日本人が集めるとなると
日本の歴史や日本美術の歴史の流れを踏まえたものとなりそうだけど、
現代の外国人の視点から集めたものなので「歴史」意識が希薄。
(無視してるってことはないにせよ)
なんというか「線」としての連続性はなく、「点」の集合となる。
オルタナティブとしての日本美術。
エキゾチックなポップアートとしての日本美術。
墨の濃淡と金や朱や草の色、これら色彩のモザイクとして優れているかどうか。
色彩の絡み合って描かれる具象がバーク女子の気に入るかどうか。
そして最初の、「センスがいい」というところに落ち着く。


今回の発見として、こういうことがわかった。
日本の伝統の絵画はそれまで空を青く塗るという発想がなかった。
なので何も色がなく地のままか、金色の雲で覆われていた。
それが18世紀半ば頃から西洋絵画の影響により空が青く塗られだす。
そうか、確かに背景の青い屏風や掛け軸って見たことがない。
青の絵材がなかったわけではないだろう。
発想そのものがなかった。

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アメ横で買い物。
気合いの入ったスカジャンを買いたかったのだが、なかなか見つからず。
あれこれグルグル回ってみて、どこも同じものを売っているのだということが分かる。
今ひとつ。
いくつかの店で普通に服を買う。
(そういえば今シーズン、服を買ったのは初めてだ・・・)
土曜の午後だけあってアメ横のメインの通りは混雑していた。
生鮮食品や乾物を売る店では威勢良くだみ声が飛び交う。


かっこいいスカジャンを買いたいと前からなんとなく思っていて、
4・5万ぐらいしてもいいからヴィンテージでいいもの買えないだろうか?
つうかヴィンテージって言ってる時点で10万超えるんだろうなー。
横須賀の方にでも行けばいいのだろうか?
どっか都心で見つけられないかな。

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その後合流して蓬莱屋でトンカツを食べる。
2900円のヒレカツと一口カツしかないという例の店です。
前回はヒレカツだったので今回は一口カツ。うまい。
串カツも食べてみた。何気にこれが一番うまい。


その後アイリッシュ・パブで飲んだ。