気がつくと土日、誰とも話さずに、会話せずに過ごしている。
もう何年もずっと。
明示的に人と会って飲んでたりしない限りは。
そりゃそうだよな。1人暮らしなんだから。
僕の場合、電話して話すということもない。
電話も携帯も、その日用があって待ち合わせをしているときぐらいしか使わない。
メールのやりとりが多少あるぐらいか。
クリーニング屋に行っても話をする必要がない。
コンビニで「温めますか?」と聞かれても首を振るだけ。
(それだって意志の疎通だと言われるかもしれないが、なんかコミュニケーションっぽくない)
メシを食いに行っても、最初に食券を買うシステムだったらやはり口を開かない。
時々、無性に人と話がしたくなる。
だけど、僕にはそういう友達っていない。
用があるときに話すだけ。飲んでるときに話すだけ。
「何の用もないけど、とりあえず何か話がしたくて、あるいは声が聞きたくて電話した」
そういう行為、この31年の人生で1度もない。
僕の身のにいる人は思い浮かべて欲しい。
僕がそういう電話かけたこと、1度もないでしょ?
強いて言えば上京直後、高校の友人とつながっていたくてかけたときぐらいか。
そしてそれも何年かしたら、そういうことしなくなった。
仕事が大変なことになってきている。土曜に出るのも当たり前。
そして日曜は休めたとしても、1人きり部屋の中にいる。
これっていいことなのだろうか?
せめて外には出たほうがよくないか?コンビニとクリーニング屋以外に。
中央線か丸の内線に乗って。
そう思って昨日の昼、新宿に出てみた。
雨が降っているというのに南口のあの辺りから高島屋まで大勢の人がいた。
友人たちや、恋人同士連れ立って。あるいは家族。
僕は完全に口を閉ざして1人きり。
混雑したエレベーターに乗って目の前の光景が流れてゆくのを眺める。
僕はいつまでこうしているのだろう?
これがずっと続くのだろうか?
そんなことを思う。
何かが間違っている。だけど、どうすることもできない。
HMV でなんとはなしに CD を眺めた。
だけど欲しいと思ったものはなかった。
探していたものも見つからず。
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帰りのエレベーターの中でばったり、会社の先輩に会う。ものすごい偶然。
「ああ、今日も誰とも話さずに終わるのか」そう思っていたところだった。
ちょこっと話す。
「おう、オカムラ、今日は CD 買ってないのか?」
「ハハハー。そんな毎日買ってるわけではないですよー」
「HMV に来たって言うのに、オカムラらしくないなー」
「ハハハ。そういうこともありますよ」
みたいな。
「ああ、今日も誰とも話さずに終わるのか」
そう思って沈みかけたところに知ってる人に出会う。
不思議なものである。