ノアの方舟

ノアの方舟は実在したのだろうか。
トルコ共和国東部に位置するアララト山には今でも船の残骸が眠っているとされる。
20世紀初頭、帝政末期のロシアが大掛かりな調査隊を派遣し、
それなりに成果を収めたようであるが、
ロシア革命の混乱の中で失われてしまったという。
(ありがちな話ですね)


調べてみると、聖書学者の見解によれば
ノアの洪水は紀元前3000年頃の出来事であるようだ。
まあ洪水そのものはなにかしらあったのだろうけど、
ノアの家族以外は生き残らなかったというのはさすがに大袈裟ではないか。
ってなところか。


このときノアは動物たちをつがいで船に乗せて救ったとされる。
船に乗せられなかった動物たちは残念ながら絶滅した。
伝説上・想像上の動物たちのいくつかはこのとき、失われたものだという話もあるが・・・

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僕のような人間だとノアの箱舟的テーマは大好きで、
それはもちろん歴史ものとしてではなくて、未来世界のSFとして。
世界の終わりとその救済。
破滅する地球。特定の一握りの人間だけが選ばれて、宇宙へと旅立つ。
SF小説でよく描かれるテーマだし、藤子・F・不二雄のマンガにもいくつかあったように思う。
手塚治虫の「火の鳥」にも類似のテーマがなかったっけ?
宇宙船ではなく、タイムマシンで過去へ、
あるいは地下深くのシェルターやコロニーでというようなバリエーションを含めると
かなり裾野が広がる。


そこには選ばれた人間と選ばれなかった人間のサブテーマや
選ばれた人間のその後の生き方というサブテーマがある。
前者だと家族のうち子供だけが選ばれるとか、恋人の片方だけとか。
後者だと絶え間ない孤独や罪の意識だとか。
もっと前向きに、ただ単に新しい場所での新しい生活を描くというものもある。
そうだ、変わり果てた故郷の姿というサブテーマというものもある。


僕もそのうち何かしら書きたいのであるが。
例えばこういうの:


ある朝主人公は目覚めると宇宙船の中にいる。
大勢の見知らぬ人がいて、彼らもまた戸惑っている。
異性からの使者が現れて言う。
地球という星は突如勃発した世界戦争により死滅した、
私たちは事前に危険を察知して地球人をランダムに選んで救出した。
これからとある惑星にあなたたちを送り届ける。
そこを第二の地球として捉え、生活を始めてほしい。
・・・やがて地球人たちはその惑星へと到着する。
地球と全く同じような大気分布で、海も山も森林もある。
彼らはそこに原始的な村を作って暮らし始める。
しかしそれはノアの方舟でもなんでもなくて、
宇宙人が単なる好奇心から始めた実験に過ぎなかった。
そのことを知った地球人たちは・・・

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コロニーと言えば今、「バイオスフィア2」の実験のことを思い出した。
90年代初め、アリゾナの砂漠の中に建てられた
閉鎖的なドームの中で地球を模した環境を人工的に作り出し、
その中で男女の科学者8人が自給自足の生活を行なったのだが、開始から2年で中止。
その理由の1つはドーム内のゴキブリの異常繁殖だったらしいんだけど・・・
考えただけでゾッとする・・・


↓このサイトがあれこれまとめてます。
http://sogoods.net/mainarchives/2006/06/post_42.html