ツアーでペルー その28(4月25日)

ララヤ峠


また小さな町にさしかかり、休憩。標高3479m。
名前は忘れたが、金や銀の彫金で有名な町。
とある広い敷地の建物の中にバスが入ると、扉が閉じて入口が塞がれる。
休憩所兼土産物屋。1階建ての部屋を繋いで、ロの字型となっている。
中庭は草地となっていて、リャマに餌となる草を与えることができる。
トイレチップが0.5ソルで、
僕は飲まなかったがコカ茶を飲んだら「気持ち」として1ソル。
ここで先ほどの町で買ったパンを切って、食べる。
トウモロコシの風味の聞いた、モチモチとしたパン。おいしかった。


トイレは片側一列に女性用ばかり6個もあって男性用は1個だけ。
団体で行動しているときの
女性用トイレの少なさから生じる弊害をよくわかっている。
それまでのその後もトイレが1つしかなくて
女の人たちが根気よく並んでいるのに何度も出くわした。
ここの施設はトイレに力を入れているのか、向かい側の列にさらにトイレを作っていた。
工事現場のラジオからは大きな音でアメリカンなハードロック。


見晴台なのか、小さな塔が立っている。上って写真を撮る。
クイを飼育する部屋があった。
中は暗くて、檻がいくつかった。
クイはその名の通り「クイ」というかキュイーンと鳴く。
そこにはたくさんのクイがいて、キュイーンという音が重なり合うと
なんらかの電子機器が稼動しているかのように聞こえた。


銀の指輪、ペンダントなどアクセサリーが数多く売られていた。
まあ僕はそういうの興味があるわけではなく・・・
10ソル紙幣をくずしたくて、
クスコの街並みを写した絵葉書と
リャマをいろんな種類のリャマを16種類写した絵葉書の2枚を買う。
それぞれ1ソル。
店の人が慌てて奥の事務所に両替しに行く。
なかなか戻ってこない。悪いことをした。


バスが走り出す。
最後尾に座っていた人が、後ろのトランクが空いていると
慌てて駆け寄って最前列に座っていた添乗員のKさんに報告する。
しかしこれはわざと開けたものだと説明がなされる。
高地山岳地帯を走るとき、エンジンに空気を送る目的で。


この辺りの山は活火山であるため温泉が多く、
露天風呂や公衆浴場が点在している。
ゴツゴツした黒っぽい岩肌に白で「ALAN」と大きく書かれている。
どこかの若い旅行者が残したものか。


本に没頭しているうちにララヤ峠に着く。
すぐ目の前に聳え立つのはチンボヤ山。
頂上付近は雪に覆われている。
しかし地球温暖化により、ここも雪が減ってきているという・・・
昔はもっともっと雪に覆われていたそうだ。
ここでまたトイレ休憩。
道路沿いにアンデスの人たちが敷物を敷いて
代わり映えのしないお土産の数々を広げている。
ここが今回の旅の最高到達地点となる。
なんたって4300mだもんなー。
これより高い場所を訪れることはこれから先の人生でたぶんないだろうな。
心なしか荒涼としていて、
自然の寡黙さみたいなのが立ち込めているように思える。


ガイドのDさんが食べ物の話をする。
クスコの主食はとうもろこしであるが、プーノはキヌア。
キヌアはビタミンやプロテインが豊富に含まれている。


気がつくと道路の側を線路が走っている。
どこまでもまっすぐな線路。
広々とした草原を貫いている。


草原の真ん中に研究施設みたいなのが建っていて、
クスコ大学のアルパカ研究所。
野生のアルパカがこの辺りでは大勢群れている。
Dさんがリャマとアルパカの見分け方について語る。
僕も含めてツアーの大勢の人がそれまでリャマとアルパカの違いが曖昧だった。
どちらもよく似ている。
尻尾が立っているのがリャマ。
尻尾が下がっていてお尻を隠しているのがアルパカ。
なお、アルパカは食べるとなかなかいけるが、リャマは肉が固いとのこと。
アルパカの写真を撮るためにバスが止まる。
野生のアルパカが道路に飛び出さないように、道路沿いにフェンスが貼られている。


「八百春清瀬支店」と書かれた車が走っていて、
中にはアンデスの女性たちが乗っていた。


線路を向こうから青い列車が近づいてくる。
ファーストクラスありの豪華な観光用鉄道。
「オリエント・エキスプレス」という名前。
3日に1度しか走らないようで、見れてラッキー。
リマとプーノの間を走っていて、10時間かかる。


ウトウトして目が覚めると、
これまで平行に走っていたはずの線路がいつのまにか横切る形に。
線路の上をアンデスの女性が1人きりポツンと立っていた。


(「メルガール」とメモにあったが、何のことか思い出せず。
 通りがかった村や町の名前だろうか?
 「メルガール」を検索するとペールのサッカーチームだったり
 詩人の名前や詩のタイトルなどいくつかヒットする)


プカラという村に差し掛かる。ケチュア語で「赤い土」の意味。
これまでクスコ近辺のあちこちの屋根の上で見かけた
瀬戸物の魔よけの牛はここで作られる。
埃っぽい通り。物乞いをする老婆。
ここでもまたトイレ休憩。小さな雑貨屋の奥にあるトイレを借りる。
ここはトイレの水を自分でバケツで汲んで流さなくてはならなかった。


この村を出てから先、一時的に道路の舗装が悪くなる。


前方の雲行きが怪しくなる。
山の向こうで雨が降っているのが見える。