寝かせたカレーの賞味期限

先月3月21日、青森に帰省した次の日の夜、母がカレーを作る。
例によってルーはバーモントカレーゴールデンカレーを半分ずつ。
青森にいる間に何回か食べて、東京に戻ってくるときに
一食分ずつビニール袋に小分けして何重にも包んでダンボールに入れて
他の荷物と共に宅急便で送った。
5食分。すぐ食べればよかったんだけど、
戻ってきた途端仕事が忙しくなって平日は完全にアウト。
土日もあれやこれやと忙しい。先週は盛岡行ったし。
なので全然食べる機会がなかった。
ようやく今日の昼、最後の一個を食べた。
思い返してみると、こういう内訳になる。


 3月24日週 2個
 3月31日週 1個
 4月 7日週 2個


保存方法は普通に冷蔵庫の奥で。
凍らせるべきなんだろうけど解凍するのが面倒だし、
ジャガイモなんかは歯触りが全然おかしくなって僕は嫌だし。


3月24週に食べたときは普通のカレーだった。
普通に温めて普通に食べた。
およ?と思ったのが3月31日週。味が変わっている。
ダメになったというのではない。腹も壊さなかった。
辛味成分が激減して、その分苦味や酸味が増している。
大人の味わい。
とはいえそれってかなり「強いて言えば」であって、
うまいかどうかってことでは微妙だった。
しかしコクや旨みは増していたように思う。
なんとも表現できない混沌とした深みのようなもの。
しかし表面的なピリッとした味わいはいっさい抜け落ちてしまっていた。
寝かせ続けるとこういうことになるのだなあということを知る。


今週食べたときには苦味と酸味だけになっていて、もはやカレーではなかった。
それでも、もったいないから食べた。
食えないかどうかで言ったら、十分食える。
インドネシアの汁かけご飯です」って言われたら信じてしまいそう。


結論として、カレーは寝かせた方がうまい。
1週間寝かすぐらいがちょうどいいのではないか?程よく旨みが出てきて。
僕がカレー屋を開くとしたら毎日カレーを作って大きな冷蔵室に移して、
それを曜日ごとに1週間前のものを持ってきて、大鍋でグツグツと温めて直して提供する。
たぶん、何十種類ものスパイスの精緻な調合ってのをやらなくても
家庭用のカレールーで「おや?他と違う」「どういうレシピなのだろう?」
という味が出せるのではないか。
で、僕は聞かれて答える。
「いやー、市販のルーなんですけどねえ」
・・・僕は神と呼ばれるようになるだろう。


この、「表面的なピリッとした味わいはいっさい抜け落ちてしまっていた」
ってのは市販のカレールーを使ったからだろうか?
本格的にスパイスから作るならばこういうことはなくなるのか?
スパイスから作ってさらに1週間寝かせたらもっとうまくなる?

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3月31日週に食べた、作ってから2週間近く経過したカレーは
僕が幼稚園に通ってた頃に父がよく食べていた缶詰めのカレーの味によく似ていた。
母は口に合わないからダメって言ってたんだけど、それを僕が食べたい食べたいとねだって。
温めてもらって食べてみたら思いっきり口に合わなかった。
苦くて。全然子供向きじゃなかった。
あのときの味によく似ていた。
思い出して、懐かしくなった。