四つん這いで進化

眠れない夜に、もし人間という生き物が
猿ではなく犬から進化したのならばどうなっていたかということを考えた。
とりとめもなく思い浮かぶ中でそのとき前提としていたのは
「前足は物を掴むことが可能であるが、原則は四つん這いのまま進化すること」
後ろ足で立ち上がることはできなくもないが、
楽な姿勢は地面に四つ足で立つこと、走るときもそう。
ハシゴや階段というものは好まれない。
なので、生活の場において高さという概念が発達しない。
階層状態がありえない。ビルやマンションなどもってのほか。
一足飛びにエレベーターをまず発明するということはないだろう。


人口が増えたらどうするか?
高さで補う代わりに、地面という地面を利用し尽くすようになるはずだ。
未開の奥地なんてものはありえない。
そんなの残していたら、あっという間に人=犬に侵食される。
地球上のありとあらゆる地表が道路と家で過密状態になる。
それでいて四つ足だから、道路には各種のボタンが設置される。
その方が便利。横断歩道のボタンであるとか。


道路をいかに多目的に利用するか?が共通命題になるんだろうな。
歩いたり走ったりという移動のための経路ではなく、
コミュニケーションのツールとしても利用されなくてはならない。
だからたぶん、壁ではなく道路上に公共のモニターが設置され、
歩いたり走ったり立ち止まったりしながらそれを眺めることになる。
広告やビデオクリップが流れる。
視点が低いため渋谷のような離れた壁面に、
とはできないから巨大なものにはならない。とても小さくなる。
そして上記のようなボタンがあって、立ち止まってる状況にて
各自放映される広告のジャンルやカテゴリを選べるようになる。
そうなると競争原理が働いて
世の中の様々な趣味嗜好に基づいたチャンネルの細分化が徹底的になされる。
大都市の道路はびっしりとモニターで埋め尽くされている。
結論:マスメディアとしてのテレビは
猿から進化したときよりも犬から進化したときの方が発展する。


・・・といったことを考えた。
あれ?なんかもっと本質的な部分で考えるべきことがあるはずだ。
服は着てるのか着てないのかとか。
まあ着てるんだろうけど。
いや、そうじゃなくて。犬ならではの。
例えば、聴覚や視覚よりも嗅覚に重きを置いたコミュニケーションの技法であるとか。
尻尾の利用の仕方であるとか。


この問題、そのうち時間があったらもっと掘り下げてみたい。
犬じゃなくて猫だったら?象とかカバだったら?とかも含めて。
哺乳類から進化するのが前提とするならば、
クジラやイルカだった場合を考えてみると面白いだろう。
というかイルカってのはこれから先何万年・何百万年という時間があったら
独自の進化を遂げそうな気がする。
言語を発達させて。道具もなんらか使えるようになり。
そのためには地球環境が破壊されずに残されている必要があるけど。
果たしてどうなっているのか。


つうかこれから先何万年・何百万年という時間を経たときに人類はどうなっているのか?
どういう進化(ないしは退化)を遂げているのか?
コンピューターを操作してロボットに仕事をさせるようになった結果、
体を使わなくなって頭だけ大きくなって
昔の漫画に出てきたような火星人みたいにヒョロヒョロしているのか。
どうなんだろうか。
個人的意見として爪はいらなくなってんじゃない?なんとなく。


あるいは空前絶後の脱毛ブームが訪れて
ありとあらゆる人間がありとあらゆる箇所の脱毛を施したら
それは進化として反映されるのだろうか?
というかそこまでしなくても何千年か先には「毛」全般が無くなってそう。
体温調節として必要、という理由はこれから先もう無いのだし。
雑菌が体内に侵入するということを防ぐために耳毛や鼻毛だけが残っている。


つうか、更に、つうか、
バイオテクノロジーが発展していった末には人類の進化の方向性も決められるというか
デザインできるようになるんだろうね。