普段旅日記を書くとき、
移動手段のことを余り詳しく書くことがないのでたまには書いてみようと思った。
ニューヨークの鉄道と地下鉄について。
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まずは地下鉄。
http://www.mta.info/nyct/maps/submap.htm
今回とにかく乗りまくった。
1回の乗車に付き、どこまで乗っても料金は2ドル。
僕は1週間のフリーパスを買って、25ドル。安上がりだった。
同じ路線でも各駅停車と快速が分かれているし、便利だった。
上記の地図だと分かりにくいけど、
マンハッタンはそもそも碁盤の目のように東西のストリートと南北のアヴェニューが交差していて、
中心部を走る各路線もまた碁盤の目に沿って駅が設置されている。なので分かりやすい。
誰かと会うというとき、どこにいるか聞いてとりあえず地下鉄乗って、
ストリートかアベニューが一致するとこまで行って後は歩くか乗り換えるかすればいい。
マンハッタンの周辺部からブルックリンやクイーンズの入口に来ると入り組み初めて、
あとは各終点まで果てしなく広がる。
車両の中は、古くてくたびれてるのが多いとしても、きれいだった。
グラフィティ・アートまみれの車両なんてなかった。
これは昔と違って落書きをすぐに消せる素材を車両に利用し始めたからだという。
消せるからと言って今乗っている車両のどこかに落書きがされていることもない。
街中でもあまり見かけなかったし、グラフィティ・アートの時代はもう終わったのかもね。
時刻表は基本的にない。あったかもしれないけど、ない。
来るときは来るし、来ないときは来ない。
文句も言わずニューヨーカーたちはホームで待っている。
ところどころいい加減なところがあるみたいで、
後輩は降りようとした駅で停まらなかったことが何回かあったという。
僕があるとき乗ったら、?号線に乗ったのに中は全然別の?号線の車両だった。
なので行き先や停車駅の案内が思いっきり食い違ってて焦った。
大事なこととして、中はエアコン効きまくっていてとても寒い。
「サマータイムになりました、なのでとりあえず冷房にしました、
真夏になるとちょうどいいです」ってな感じなのかな。
細やかな温度調節をする気、全くなさそう。
車内のMTA(Metropolitan Transportation Authority / 都市交通局)の広告では
盛んに「ECOLUTION」などキャッチフレーズをつけて
地球環境のため車ではなく地下鉄や鉄道を利用しましょうと謳っておきながら
このエアコンの効き具合。全然エコじゃない。
中東だったかアジアだったか、どっかの国か地域では
エアコンがあったら最大に温度を下げるのが客をもてなす上でのマナーだとされている
とどっかで読んだことがある。それに近い感覚なのだろうか。
あるいは、エアコンの効きが弱いと文句をつけてくる客がいるのか。
寒かったら上に羽織るものを各自持って来ればいいけど、
暑かったらどうにもならないということか。
地下鉄はどこの国もたいがいそうだけど、郊外に出ると地上に出る。
出るとなぜか、ほっとする。そこから先、景色を眺める。
乗ってて治安の悪さは感じなかった。
駅に着いて下りる人がいて、乗ってくる人がいて、座席が埋まって、立っている人がいて。
ただ、それが繰り返されるだけ。そしてそこには世界各地から来た人が乗っていて。
一頃言われていたような
「犯罪の温床」「日本人は絶対乗っちゃいけません」という雰囲気は払拭されていた。
深夜に一人で乗って荷物を手から離すようなことさえしなきゃ大丈夫なんじゃないかな。
駅のトイレはそれこそ「犯罪の温床」ってことでどこも閉鎖されている。
ドラッグの売買や強盗、レイプが行われることがなくなった。
どの路線に乗るのか、どっちの方角か(北方面が UPTOWN で南方面が DOWNTOWN)を間違えなければ
結構簡単に乗れる。乗り換えも掲示が出ているから特に迷うこともない。
初めてニューヨークに来てJFK国際空港からマンハッタンに向かうときにも、
最初AirTrainってモノレールに乗って
地下鉄の駅に着いたら後は目的地まで何回か乗り換えていくってのが
落ち着いていれば初心者にも十分可能だと思う。
物乞いが乗ってくることはない。
アコーディオンとギターを抱えたメキシコ人二人組みが乗り込んでくるや歌い始めて
車両の中を練り歩き、ソンブレロに小銭を求め始めたってのが一度あったぐらいか。
あと、なんかの物売りっぽい女性が乗ってきて大声で口上を述べたことも一度。
ホームでギターを弾きながら歌ったり、ボンゴを叩いたりってのを何度か見かけた。
MTA公認のパフォーマーは黄色と黒のバナーを掲げているみたいで、
僕が見たのはどれも非公認で勝手にやっている人たちのようだった。
時々、ハッとするぐらいうまい人がいた。
車両は最近日本の企業が進出していて、川崎重工だったか、
乗ったら座席とバーの配置が今の中央線っぽいのだったことがあった。
調べたら確かにそうだった。ニューヨークの地下鉄も作っている。
http://www.khi.co.jp/products/rolling_stock/rolling_stock.html
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鉄道。これは僕、GCT(グランド・セントラル・ターミナル駅)から寮の同期の家がある
North Metro Railroad / New Heaven Line の「Rye」という駅と往復しただけ。
http://www.mta.info/mnr/html/mnrmap.htm
こちらは地下鉄と違って距離の応じて料金が変わる。
GCT から Rye まで、 Off-Peak で $6.75、Peak で $9.75とものすごく高い。
でもこのGCT から Rye までが東京から八王子までの距離ぐらいあるみたいなので、
そう考えると JR の料金とあまり変わりがない。
Peak ってのが通勤のピークの時間帯を差していて、
確か早朝から9時ぐらいまでと夕方の18時前後の帰宅時間帯の頃。
Off-Peakはそれ以外の時間帯と休日。
Peak時に乗ると高い。なおかつ、車内で買うとさらに3ドルだったか手数料を上乗せ。
座席はプラスチックで固い。
進行方向と向きが逆でも全然お構い無しに走っている。
平日の Peak に乗るとちょうど座席が埋まるぐらいで、休日に乗ってるとガラガラ。
座ると車掌がやってきて、切符を渡す。片道だとその切符は帰ってこない。
その座席に座った人の切符をチェックしたという意味で
細長い紙のカードをパンチして座席の背の隙間に突き刺す。
これが色違いで番号が書かれているだけで、
どういうルールでどの穴がパンチされるのかよく分からない。
下りてその座席が空くと車掌は見回っているときにそのカードを抜き取る。
車掌は各車両に一人ずついる。
なんだかものすごく労力のかかる仕組みだなあ、
いくらでも改善のしようがあるのになあと不思議に思う。
日本みたいに自動改札を普及させたら無賃乗車も防げそうなものなのに。
ニューヨークだけとはいえ駅の数が多く導入が困難ということなのか、
それとも鉄道労働者の組合が強くて職を失う可能性のある物事に反対なのか。
そんなこんなで、駅は改札というものがない。
いきなりホームに上がって行って、車両に乗り込む。
GCT(グランド・セントラル・ターミナル駅)はホームが確か32個もあった。地下鉄を抜かして。
North Metro Railroad の New Heaven Line, Harlem Line, Hudson Line の3つの路線しかないのに、
32個のホームをフル活用していた。多過ぎて逆に使いこなせないんじゃないかと素人目には思うが・・・
1度だけ Peak 時に乗ったことがあって、
マンハッタンのオフィスへと向かうビジネスマンたちが
各自持ち寄った新聞を回し読みしていた。
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タクシーには1度だけ乗った。
愛想のいい、親切な黒人のドライバーだった。
マンハッタンの道路は走ってる車の半分がイエローキャブだったような印象がある。