バンコク その11

okmrtyhk2008-09-30


再びバンに乗り込んでニューハーフ・ショーの店「マンボ」へ。
老舗らしく、映画館のような造りだという。
狭い路地を入っていく。
中に入ってみると映画館というよりは劇場、シアター。
ステージの前に丸テーブルと丸椅子が並んでるようなのを想像してたんだけどそうじゃなくて、
客席が確かに映画館のように傾斜して並んでいる。横一列ずらっと。
客席の前後はかなり開いていて、小さな丸テーブルを置いている。
ステージにはゴージャスな幕がかかっている。
ドリンク1杯つきとなっていて、アルコールは無くて残念ながらコーラ。
ロビーに出たら売ってたみたいだけど、買いに行く時間がなかった。


客席は半分が日本人で、残り半分はタイの人とどっか他の国の人、そんなところか。
日本人の女の子同士ってのが多かったなあ。客席から聞こえてくるのは日本語ばかり。


20:30になって時間通りにショーの始まりを告げるアナウンスが流れる。
しかし音楽とステージ袖へのスポットライトだけで、焦らす焦らす。
ようやく幕が上がってショーの始まり。
羽飾りも豪華に、派手な衣装を身にまとった花形をセンターにして、
ちょっと羽飾りの小さくなった脇役が取り囲む。
そして賑やかに歌い踊る。(口パクで)
豪華絢爛。だけどちょっとレトロ。昔のキャバレーってこういうショーだったんだろうねって感じの。
1曲目が「君の瞳に恋してる」だもんなー。


2曲目でマンボの「松田聖子」が登場。ほんとよく似てる。怖いぐらいに。昔は男性だったのか・・・
(「地球の歩き方バンコク版のニューハーフのページを参照)
歌は「赤いスイートピー
小学校以来、20年ぶり!?にちゃんと聞いたらこの曲とてもいいってことが分かった。
今調べてみたら作詞は松本隆で作曲は松任谷由実だった。


(勝手なイメージで筒美京平?と思い込んでいたけど、今調べてみたら
 筒美京平松田聖子のシングルの作曲に関わっていなかったことを知る。今更ながら。
 他に曲を提供したのは、財津和夫大瀧詠一細野晴臣尾崎亜美
 レベッカ土橋安騎夫大江千里奥居香鈴木祥子など。
 90年代に入ってからはなんと自分で作曲している。共作だけど)


そんなこんなで中国風、タイ風、アメリカ風と曲ごとにセットと衣装を変えて
入れ代わり立ち代わりニューハーフたちが踊る。
若いイケメン(ニューハーフではない)を従えて。日本のイケではなく、タイのイケだけど。
隣に座っていた日本人女性は「あの子カワイイ〜」の連発。
見ているうちに僕の中でも「ひいき」の女の子が2人ほど出てきて、その子ばかり見てることになる。
1人はすらりとした長身で金髪、踊りがダントツにうまいんだけど
性格がきつそうでメインに立てなさそうな子。いかにもニューハーフ。
もう1人は背が低くどちらかと言えば丸顔で、以前男だったとは思えないぐらいの自然な女らしさ。
一言で言うと愛らしいカスミソウ。さすがにメインを張ってた。


かわいい子ばかりではなく、3枚目的汚れ役というかキワモノも登場する。
地球の歩き方」のニューハーフショーのページにも載ってるけど、
そのうちの1人は年取ってて太ってて、まさに「ディバイン」
(ジョン・ウォータース監督の映画のね。「ピンク・フラミンゴ」の)


こういういろんな役どころの人が押したり引いたりして1時間ちょっとのショーが成立する。
イケメンたちが中心の曲も1曲用意されていたり。バラエティー豊か。
そんでグランド・フィナーレ
見ててあっという間。「面白い!最高!」とはならないけど、全然飽きることはなかった。
バンコクに行ったら1度は見るべき。お薦め。


毎日踊りの稽古が大変なんだろうなあ。メインも脇役も。で、「女」の戦いがあったりして。
20曲ぐらいやったけど、これ、シーズンを通して演目は毎日一緒なのかな。
日替わりで違ってたらすごいね。


ショーが終わると、入口にて記念撮影会。
一緒に写真に収まってくれるんだけど、1人につき40バーツのチップを払う。
松田聖子はさすがに大人気。
近くで見るとみな背が高く、声が男。
で、口々に「チップ!」と言ってるのはちょっと興ざめだった。
僕らは写真を撮らず。


踊り子たちはみな胸が丸くほどよく膨らんでいて、股間は膨らみ無し。
たぶん、手術したんだろうな。


バンに乗ってホテルに戻る。22時だったか。
パッポン通り再訪も考えるが眠くて疲れきっていたのでこの日はこれで終わり。
シャワーを浴びて23時には寝た。


NHKのニュースを見る。
東京は大雨。麻生新総裁が誕生しそう。西武がマジック4となる。


今、ショーに出ているニューハーフたちはそれでいいとしても、
10年後・20年後には彼ら(彼女たち)はどうしているのだろう?
どうやって生活していくのだろうってのが気になった。
バンコクに住んでいればそれなりに食っていけるのだろうか?
それは40代の女性がバンコクでどのように生計を立てるのか?という質問と一緒なのだろうか?
それともニューハーフはあくまでニューハーフなのだろうか?
そんなことを考えながら、寝た。