「アーティスト・ファイル 2009」

水曜はその後、六本木へ。
国立新美術館で、「アーティストファイル 2009」を見る。
http://www.nact.jp/exhibition_special/2009/03/af2009.html
その時々の旬なアーティストの作品を展示するという。
去年に引き続き2回目で、去年も見てよかったんで、今年も。


今年は全部で9人紹介されていて、その中で
良くも悪くも一番インパクトあったのが齋藤芽生という人。
http://www.artunlimited.co.jp/meo/
作品の1つに、男と女の愛欲を巡る「四畳半みくじ」ってのがあって、
こんな感じ。
第一番「女は本気で 男を愛した日から 女神の座を奪われる」
第二番「男も女も忘れ 旅を行く魂 ただそれだけになって」


僕が引いたのは第十四番
「勢運 生えてきた夫の髭を心の中では剃ってしまいたい
 獲物 清潔感はない
 駈引 悪い男とよばれてみたいらしい
 欲望 男の背伸びは多少可愛い
 切掛 ただのいい人と言われて」


(会場にはイスタレーションとしてこのおみくじを引く台が展示されていたんだけど、
 真っ赤な三角旗が連なってるなあと思ってよく見たら、
 冗談みたいな、赤のレースの、スケスケのパンティーだった)

 
この人の作品は他に、花輪をモチーフにしたり、想像上の草花にしたり。
たいがいが連作。
生き物としての女(おんな)を日本的な時空間の中でいかに表現するか?
記帳となる色は赤と黒。繊細だけどグロテスク。
僕個人としては生理的に受け付けないタッチで。
でも、この人の考えることにはすごいものがあるってのは嫌でも感じ取れた。
気になって仕方ない。


「踊場酒場」という薄汚れた狭い踊場をいかに酒場に見立てるかという連作は
背筋がゾッと来た。悔しいけど、なんかある。


どの作品も無国籍な想像上の日本が渦巻いて溢れ出している。
このむせ返るような感覚が人によって受け付けないかも。
ノスタルジックな、赤い花の匂い。

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もう1人気になったのは、というか1人だけとても気に入ったのは、石川直樹という人の写真。
風景を写真に撮っただけ。アートとして呼ぶには物足りないかもしれない。
だけどこの人のグリーンランドを写した写真はとても美しかった。
http://www.straightree.com/
↑ Works > POLAR を是非とも見て欲しい。


この人の写真を見たいがためだけに、分冊が全員分セットになった2000円のカタログを買う。
去年もそうだったけど、ばら売りしてくれない。
たぶんそうしたら売り切れになる人、売れ残る人、出てくるからなんだろうけど。

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国立新美術館では、
ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」ってのを大々的にやってたけど、特に興味なし。


森美術館では
「万華鏡の視覚 ティッセン・ボルネミッサ現代美術財団コレクションより」
ってのが気になった。
まだ当分やってるみたいだから、今度六本木で映画見るときはついでに見ようと思う。
http://www.mori.art.museum/contents/kaleidoscopic/exhibition/index.html