Leyona

Leyona という女性シンガー(ソングライター)がいる。
長いこと活動していて、何回かレーベルを変えている。
ずっとメジャーだけど、今はそんなに売れていない。


初めて聞いたのは青森に帰って、八戸の親戚の家に行ったとき。
従姉妹の旦那の運転する車に乗っていたら
FMで曲がいくつか続けて流れた。新しいアルバムからってことで。
普段ラジオを聞かない僕からしたら非情に珍しい出会い方。
(2003年の「Sund Road」というアルバムで、僕はこれが今でも一番好きだ)


先月末にこれまでの活動を振り返るベストアルバムが2枚同時に出た。
初回の1万枚はジャケットに自らサインを書くという。
僕が買った2枚とも、表紙にサインが書かれていた。
別に僕に向けて書いたものではない。
1万分の1のどれかをたまたま買ったというだけ。
でも、なんか嬉しい。
この1万枚、売り切ってほしいと思う。
頼む、売れてくれ!


2枚とも、はっぴいえんどのカヴァー「風をあつめて」がヴァージョン違いで収録されている。
そもそも、日本語ロックで忘れちゃいけない名曲だよね。
Leyona が歌うのもいい。
自分のものになっていて、違和感が全くない。


あと、「500マイル」って曲も Peter, Paul & Mary のカヴァーなんだけど、
アメリカでは唱歌みたいに有名な曲なようで、例えば Hooters も歌ってる)
忌野清志郎が歌詞を訳してて、コーラスで参加してて、プロデュースもしてる。
僕が聞いたラジオ番組でもこの曲が取り上げられていた。
知っている曲だから、そこが取っ掛かりになった。
今聞くと忌野清志郎のあの声だと思うのもあるけど、妙に味わい深い。
決して前に出ないで Leyona を立てるように寄り添うんですね。
クレジットがないけど味わい深いハーモニカのソロを吹いてるのは絶対、清志郎のはず。


他にカヴァーしている曲は Sonny & Cher の「The Beat Goes On」とか
Three Dog Night で有名な「Joy to the world」
いい曲選んでるよね。


僕が車を運転するなら、この人の曲をいつも聞くと思う。
アメリカの何もないハイウェイの一本道、土煙が舞う。そんなイメージ。
どこか一人きり旅に出たいけど、そんなこと、ふと思い立って叶うわけがない。
そういう夜にウィスキーを飲みながら、Leyona を聞く。
旅の音楽。どこかに向かうための、音楽。