カセットテープ雑感

ここ何年か、カセットテープを見かけなくなって久しい。
コンビニでも売ってない。
今の若い子はカセットテープというものを知らずに育ったわけだ。
そう考えると感慨深い。


46分テープとかね。
僕は今でもふとした弾みで「46分」という時間に出会うと、懐かしい気持ちになる。
それにしてもなんでこの長さなんだろうね。中途半端。
LPが片面、最大23分だったからという説や
30分や60分の中間で45分というのを用意したけど、
片面22.5分ってのが中途半端だから46分にしたとかいう説。
結局何が正しいのだろう?と調べてみたら、教えてgooにちょうどいい質問が。
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa385892.html


不思議な長さってことでは、54分ってのあったよなあ。
46 + 54 = 100 ってことなのだと僕は思ってた。何の根拠もなく。
あるいは、50分を基準にしてマイナス4分とプラス4分。
上のページを見てみると、ロックの6と9をかけて54分ってことらしい。


レコードもそうだけど、A面とB面に分かれているってのがいい。
趣を生んでいた。
A面の最後にどの曲を置いて、B面の最初にどの曲を置くか。
そういった工夫で生み出される、A面B面それぞれのムードの違い。
A面はシングルで発売した曲を中心に勢いがあって、明るくて、
B面はバラードを集めています、とかさ。
自分が若かったってこともあるんだけど、
A面とB面に分かれていた頃は曲順やタイトルが覚えやすかった。
CDの時代になって、覚えるのが億劫になった。
なんかたくさんある、って感じで。


ハードディスクに電子データとして保存するようになるとは思ってもみなかった。
そうなると媒体による時間の制約ってなくなるよね。
今でもまだCDが主流なメディアだけど、そのうちCDも消えてなくなるんだろうな。
そうなるとアルバムという概念もいつかは廃れていくのかも。
今更僕が言うことでもないけど、1曲単位で買うようになって。
いや、1曲や2曲のためにレコーディングするってのが経済的でないってことで
やはり10曲20曲単位でレコーディングするってのは変わらなくて、
その時々の方向性・雰囲気によってまとめた複数の曲をパッケージにしたものってのは残るんだろうな。


カセットテープで懐かしいことって言ったら、「伸びる」ってやつ。
聞き過ぎていたら、音質が極端に悪くなってモゴモゴするようになって。
そういうのがなくなって、いつでもクリアに聞けますってのはどこかなんかちょっとだけ寂しい。
レコードも針が飛ぶとか、塵でプツプツ音がするとかさ。
今の子たちはアナログの感触は知ってても、テープが伸びたときの音は知らない。


クラッチを行うDJの存在により、
レコードという媒体は新たな役割を見出し、生き残ることになった。
残念ながらカセットテープにはその可能性はなさそう。
実験音楽ではテープのループを作って、・・・というのが盛んだったけど、今はPCでできるし。
ほんとにこだわりのある人でないとテープは使わないだろうな。


高校の頃にレンタルCDに通い詰めてダビングしたテープの数々、
この前帰省した時に聞こうとしたら伸びていた。
あれもそろそろ、処分しないと・・・