『ゾンビ・ストリッパーズ』2008年の作品。
あれは2年前の12月だったか、月曜からの大阪出張で日曜に大阪入り。
高校の友人に会って通天閣を見に行ったときに新世界界隈をほっつき歩いていたら
路地裏にいかにも場末な感じの小さな映画館があって、そこにこれがかかっていた。
ブロンドの女性がもちろん裸で、その背後にゾンビたち。
ただならぬものを感じた。タイトルだけでも100点満点。
観光で大阪に来ているというのに東京でも見れるような映画を今ここで見てもしょうがないし、
そもそも一緒にいた友達は女性だ。こんなの金もらっても見たくはないだろう。
しばらくの間忘れてて、ようやく思い出して借りて見た。
軍の依頼で死体を生き返らせる研究をしていた施設でゾンビが大量発生。
特殊部隊が全滅させる。
しかし、ゾンビに噛まれた兵隊の一人が、捕まったら殺されると逃げ出して、
転がり込んだ先が非合法のストリップ小屋。
店のNo.1ストリッパーを噛んで感染させる。
ゾンビ化っつうのは死を恐れなくさせることで身体能力を高めることにあり、
この世ならぬ刺激的なポールダンスを披露するようになる。
集まった客たちはやんやの喝さい。ドルが舞う。
これは金になると踏んだ店のオーナーたちは踊り子を次々にゾンビ化させるが・・・
すさまじくどうでもいいストーリー。
特殊部隊は何も考えずバンバン銃を撃ちまくって、
ストリッパーたちは脱いで踊って大忙しで、
ゾンビがうろつき回って、ヘビメタが鳴ってると。
B級映画の王道。早い、安い、うまい。
こういうの作るのって楽しいだろうなあ。
監督の Jay Lee はクレジットを見ていたら
監督に脚本にプロデューサーに編集に撮影と一人何役もこなしてた。
この人はこのまま、何も考えずに好きなように低予算の映画を作り続けてほしい。
もしかしたら大化けするかもしれない。
21世紀を代表するB級娯楽ホラー映画の巨匠となりそうな予感。
ゾンビになっても踊り子たちの間には誰がNo.1かを巡る女の闘いがあり、互いにビッチと呼び合う。
女という生き物は何が本能を成しているものなのか。とても感慨深い。
それ以外の登場人物たちが皆一様に薄っぺらいというのが、なんとなく深い。
ゾンビ映画って作る側を魅了する何かがあるんですよね。
殺しても死なない、さあどうする? っていう。
そしてあのキャラクターの造形。
いろんなことがものすごく様式化しているがゆえに、逆にアイデアで勝負しやすい。
でも、すごい監督ってのはそういうの何も考えず、日々好き勝手にやってるだけなんだろうな。
この機会にゾンビ映画をまとめて見たくなる。
『死霊のしたたり』って見たことないしなあ、
ロメロの名作をリメイクした『ドーン・オブ・ザ・デッド』も見たい。
次に借りるのはこの辺だな。