中之島、梅田の休日(前編)

昨日はここ2年間関わってきたPJの新システム切り替え作業で
午前中、作業の立会い。6時に起きて7時半出社。それが恙無く終わった。
やったことと言えば徹夜で作業をしていた人たちにハーゲンダッツの差し入れをして、
進捗報告のメールを代わりに送ったぐらい。簡単なもの。
その間事務手続きをいくつかこなして、閑な時間には松岡校長の千夜千冊を読んでいた。
(僕ぐらいの年になると、自分で手作業を行うということがない)


昼に終わって解放される。真っ先にオフィスを出る。
京阪線に乗って、京橋で下りてアーケード街のラーメン屋へ。
オフィスで閑なときに見ていたラーメン本にて紹介されていた花京が気になる。
先日訪れた力雅は紹介されていなかった。
同じ並びにあって似たような店構えでどっちにしようか迷ったんだよなー。
花京に行ってみたら満席。外でしばらく待つ。
こってりのチャーシューメンに味卵。
なかなかうまかった。力雅より断然いい。
ラーメン本には店主は有名商社を辞めて3軒で修行とあった。


部屋に戻ってきて、クリーニング屋へ。
『17歳のための世界と日本の見方』を読み終えて、部屋を出る。


京阪線に乗って、北浜で下りる。
中之島界隈を歩いてみる。難波橋を渡って中之島公園へ。
東洋陶磁美術館、中央公会堂、中之島図書館、大阪市役所、日本銀行大阪支店。
川縁の公園にふさわしい、穏やかでずっしりとした建築物が並ぶ。
西へ、西へ。御堂筋の通りを渡って、肥後橋朝日新聞三井物産のビルと続いて、国際美術館へ。


不思議な構造の美術館で、地上は入口のみ。
地下1階がミュージアムショップとレストラン、地下2階と3階が展示室となっている。
「絵画の庭」という企画展を観る。
http://www.nmao.go.jp/japanese/b3_exhi_beginning_garden.html
ゼロ年代日本の現代アートの人たち28人の作品を集めたもの。
目玉は奈良美智草間彌生
他の人は初めて知った。有名な人も何人かいたんだろうけど。
ほとんどの作品はイマイチ。どぎつくて今風なだけで、何を言いたいのかよく分からない。
何がどう表現へと向かわせたのか汲み取れない。発想とセンスだけで作品を作っているかのような。
わざわざ足を止めて眺めてみたくなった作品は少なかった。
O JUN『アパート/ブエノスアイレス』と秋吉風人『Room』の連作と
加藤泉の70年代のシュールなヨーロッパ・アングラ系アニメのような生き物としての人を描いた作品たちぐらいか。


この中だと奈良美智のすごさが際立った。
初めて、この人のよさが腹に落ちた。それまで全然、ピンとこなかった。
無邪気に不機嫌そうな女の子とその取り囲む世界と。
メッセージが非常に分かりやすい。言葉にならない感覚、感情というか、気持ち、思い。
分かりやすい、じゃないな。その辺の若いアーティストとは強烈さ・凝縮度が違う。
女の子の目に、意思が宿っている。
他の人の作品にも目は描かれていた。
だけどそれは単なる顔の中のパーツとしての目であって、何の意思も宿っていなかった。
他人と視線を合わせることを避けるかのような。
それがゼロ年代というやつなのだろうか?


草間弥生は全然興味持てない、生理的に好きになれないこともようやく意識に上った。


出品アーティスト3人によるトークイベントがあったんだけど、
足を止めなかった3人なので聞かなくてもいいかと思う。


僕にしては珍しく図録を買わない。
奈良美智奈良美智のポストカードを買う。
美術館を出て、淀屋橋方面に向かって歩く。
歩いていくうちに、はまぐちさくらこという人の作品のポストカードが気になって引き返す。
展示されているのを見たときにはなんとも思わなかったのに、
ポストカードになったのを手に取ったときには少し引っかかるものがあった。
これも何かの縁かとミュージアムショップに戻る。