天候の話

先ほど、図書館の帰りに床屋の前を差し掛かったら
客がいなかったので入って髪を切ることにした。
「どうしましょうか?」「いつもぐらいで」「耳が自然に出るぐらいに…」
天候の話になる。東京は今日も晴れている。このところずっと青空だ。
でも、寒いですよねと。寒いから今週はお客さんが全然入らなかった。
「最初、暖冬なんて言われてたのにね」
「猛暑の年は冬、寒いですよ」
なのに雪が降らない。東京はまだ。
僕は青森に正月帰って、1週間雪かきをしなかったことを話す。
「生まれて初めてですよ」
富士山も降ってないらしい。富士五湖の辺り。例年なら雪が積もっている。
なのに今年は鳥取とか
東北人からすれば「雪降るんだっけ?」って思うような地域で大雪となった。
豪雪地帯とされる新潟県十日町でも年々雪が減っているとのこと。
「でも、アルプスはさすがに降ってますよ」

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別件。先日職場の人たちと昼を食べに行ったとき
「雪かき用に、家にはスコップが3本ある」と話したら、
「何のために?」と不思議がられた。説明が必要となった。
そうか。そういうもんだよな。
普通のプラスチックのがあって、
凍りついたのを切り崩すための鉄の固いのがあって。ダンプもあって。
雪とスキーは結びつくとしても、雪と雪かきの結びつきは
住んでて体験した人でないとよく分からないのかもしれない。
どういう用具を必要とするどういう行為なのか具体的なイメージがない。
雪かきという概念がないゆえに、雪とは積もったら積もりっぱなしのもの、
だから豪雪地帯は毎年数mも積もるのだと誤解しているのかもしれない。
除雪のために毎年どれだけの負担が自治体にかかっているか、
ということも知られていない。
春になったら溶けてしまうためのもののために億単位のお金が使われている。
試しに調べてみたら札幌市は今年度147億円を雪対策予算として計上しているという。

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東京は今日も晴れている。
今日久しぶりに立ち止まって、空を眺めた。


東京は今日も晴れている。