「MOGWAI An Experience with MOGWAI - Hardcore Will Never Die, But You Will」

昨晩、Mogwaiのライヴを恵比寿のLiquid Roomに見に行った。
この日発売のニューアルバム『Hardcore Will Never Die, But You Will』の
HMVオンリーの限定盤パッケージに
Tシャツと共にチケットが封入されているというもの。
http://www.liquidroom.net/schedule/20110202/4437/


職場を定時に出て、Liquid Roomへ。何年ぶりだろう。前は何を見たんだろう?
今年初ライヴ。昨年は訳あって4月 Medeski, Martin & Wood の1回だけ。
今月は同じくHMVで取り扱っていた桃色クローバーと神聖かまってちゃん
4月に Peter Broderick with Nils Frahm の来日。


それはさておき。
整理番号が800番台で入るのにかなり待たされる。
ロッカーにコートや会社鞄を預けるが、ドリンク代500円を忘れて鍵を開ける。
そうすると今度は小銭がなくなって、
コートを着て外に出て自販機でミネラルウォーターを買う。またロッカーに戻る。
ようやく中に入ってドリンクチケットをビールに引き換える。
既にしてステージ前は大勢の人だかり。
一昨日届いたばかりのTシャツを来ている人もちらほらといる。
このときCDも一緒だったんだけど、僕は聞く時間がなかった。
今回のライヴは新譜の10曲全部をそのままの順で演奏するというものだったのだが…


19時過ぎにオープニングアクトにせんねんもんだいが登場。
ナマで見れてラッキー。僕は当日になって知った。
いつかどこかで見たように勘違いしてたのは
HELLAの来日公演のDVDで見たからだということを思い出す。
オシリペンペンズと共に強烈なインパクトがあった。
3ピースのどこにでもいるような普通の女の子たちなのに、
轟音系ギター・インストを演奏する。
ギターの子がとてもかわいくて、僕は部屋で一人デレデレしながら見てた。
その後すぐアルバムを買った。


今回演奏したのは3曲か4曲。1曲目はギターの子がキーボードを弾く。
3人で幾何学的なフレーズをひたすら繰り返す。
熱気を帯びて少しずつ有機的になっていく。
Buffalo Daughterに近いといえば近い。
ドラムの子は長い髪を振りかざし、
ベースの子は髪が短くてずっとクールに無表情。
最後の曲は Mogwai に通じるギター・ギャンギャン系の轟音へ。
ギターの子が最後にライヴの告知。
テレテレとしたロリ声でギャップがよかった。


セットチェンジして Mogwai へ。
終演後もらったセットリストをそのまま書き写す。
(分かる人は分かるが、長いタイトルだと省略されている)


 WHITE NOISE
 MEXCIAN GP
 RANO PANO
 DEATH RAYS
 SAN PEDRO
 LETTERS TO THE METRO
 THATCHER
 WEREWOLF
 TOO RAGING
 LIONEL RICHIE
 CHRISTMAS STEPS
 FLIES
 SATAN


 2 RIGHTS
 BATCAT


メンバーの5人はビールを飲みながら
時々楽器を交換しながら淡々と演奏を続けた。
音を聞く、感じる、ではなく、吸い込む。体に染み込ませる。
僕はノルウェーを旅したときに見た北極圏のフィヨルド
その壮大な光景を思い浮かべていた。


僕個人としては本編最後に「Mogwai Fear Satan」をやったのがとても嬉しかった。
やはりここがこの日のハイライトだろう。喚声も大きかった。
世界の終わるときに鳴らされるサウンドトラック。
降り注ぐオーロラが全ての地平線と水平線を覆い尽くす。
全世界同時に始まった雪崩。そのスローモーションの映像。
突如静止して、静けさが訪れる。最後の瞬間がじれったく引き伸ばされる。
そしてまた突然にして全てが崩壊を迎える。後には塵だけが残される。


アンコール2曲、最後は馴染みの「BATCAT」で終了。
フロアを出て、セットリストをもらう。
5人のサイン入りとのことだったが、手書きではなくてコピー。
たまたま2枚受け取ったので見比べてみたら全く同じだった。
でもまあそれもよし。


僕は10年近く前のフジロック以来、2回目。
あの頃はまだ若々しかった Mogwai も年を取った。
僕も同様にオッサンになった。
年を追うごとに Mogwai の轟音は凄みを増していく。
必然性が増していく。
僕は今でも、聞くたびに発見がある。
そこに音を超えた何かを見出す。
そこにそれがあるような気がしてならなくて、また今日も聞いてしまう。