文化の日の昨日、世田谷美術館に
「アンリ・ルソーから始まる素朴派とアウトサイダーズの世界」
という企画展を見に行く。11/10(日)が最後だというので慌てて。
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/exhibition.html
↑たぶん、11/10(日)以後このリンクは見れなくなりそう。
↓こちらになるのか。
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/past.html
11時から豪徳寺で会合があって、開館は10時。
自転車を飛ばして朝イチでサササッと見て、
10:40に出てさらに自転車を飛ばす。慌しかった。
・アンリ・ルソーに代表される素朴派
・引退後に絵を描き始めた人
・シュルレアニスム
・旧ユーゴスラビアの素朴派
・シベリア抑留体験を60歳を過ぎてから突如描き出した久永強
・その他有名人ということで
バスキア、草間彌生、山下清、マックス・エルンスト、ジョアン・ミロ
・アウトサイダー・アート(アール・ブリュット)
とかなりのゴッタ煮。
肝心のアンリ・ルソーはちょっとだけ。うーむ、いいのか。
それぞれの作品は面白かったけど。
最後のアウトサイダー・アートのインパクトが強烈なので、
その他の作家もアウトサイダー・アートと思われないか少し心配。
アウトサイダー・アートの展示は全体の1/3ぐらい。
「8.アール・ブリュット」「9.心の中をのぞいたら」「10.グギングの画家たち」
とあって、後者ふたつは「心に病を持つ人々の創作」と解説にあった。
誤解を怖れずに言うと
やはりこれら心に病をもつ人たちの絵画が最もゾクゾク来た。
世界はこんなふうに見えているのか、と。
いや、こういう多様性を孕んでいるのだと。
プリミティブかつ歪んだ、大胆な色彩と形で描かれる
馬であるとかボートであるとか、周りの人間たちであるとか、
頭の中の理想の王国であるとか。
同じルールを共有していないがゆえに伝わらないとしても、
例えそれが一方通行となるにしても、
人間という生き物は表現せずにはいられない、
物語を語らずにはいられないものなのだ、ということを強く思った。
以下、気になった作家たちの作品が垣間見える場所。
展示されていた絵画の多くは見つからなかった。
アウトサイダー・アート系をみるのはそれなりに覚悟が必要です。
・アウトサイダー・アート。Wikipediaのアドルフ・ヴェルフリの画像ページ。
今回展示されていた「ツィラー=タールの聖三位一体」の画像は見当たらず。
恐るべき世界観。何度見ても吸い込まれそうになった。
http://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Adolf_W%C3%B6lfli
・驚いたことにアドルフ・ヴェルフリが作曲した作品を演奏したCDがあった。
『アドルフ・ヴェルフリの世界』
http://www.hmv.co.jp/news/article/1106160049/
・アウトサイダー・アート。ルイ・ステーの画像を集めたブログ「MON CAHIER」より。
上から2番目の絵が今回展示された『身ぶりをする6人』
http://thetruedeceiver.seesaa.net/archives/201204-1.html
・アウトサイダー・アート。カルロ・ジネッリの画像を集めたブログ。
http://maisondeforcelasalpetriere.blogspot.jp/2012/09/insania-pingens.html
・アウトサイダー・アート。マルティン・ラミレス。
http://www.folkartmuseum.org/ramirez
・ビル・トレイラー。85歳にして描き始めた。
http://www.folkartmuseum.org/traylor
・グランド・フランの公式サイト。
アウトサイダー・アートではなく、70代になって絵を描き始めた人。絵がキュート。
http://www.grandmafran.com/
※同様にクラーリー・シトロエンという60歳になって書き始めた人の
花の絵がよかったんだけど、画像が見つからず。
・サー・ウィンストン・S.チャーチルの画像のあるブログ「村人生活@スペイン」より。
あのチャーチルですよ。展示されていたのはこの絵じゃないですが。
http://cazorla.exblog.jp/4718365/
・マッジ・ギル。一見アウトサイダー・アートのように見えるけど、
交霊体験を元に霊が描いたということでシュルレアニスムのカテゴリーへ。
展示されていた大作『マイニナレスト・モーセ』は今回の展示の中でも圧巻。
http://www.outsiderart.co.uk/gill.htm
・『マイニナレスト・モーセ』に近い作品がこちら。
http://latabernadelmar.blogspot.jp/2007/11/el-arte-de-los-locos-2-madge-gill-y-la.html
図録を買ったら1,200円でコンパクトなつくりだった。
ちょっとした企画展を見に行ったら、分厚くて余白が多くて、
3,000円とかするじゃないですか。
それはそれで絵の重みがあるけど、やっぱ高い。
これでいいんだよな、と思った。