絵本を読む

先日、友人の出産祝いに絵本を買おうと
神保町三省堂エスカレーターを上っていくと
壁に絵本のページが貼り出されている。
石川五右衛門みたいな男たちがとぼけてる感じで
『どろぼうがっこう ぜんいんだつごく』
今話題の本ということで平積みもされていた。
こういうタイトルの絵本を子どもたちに読ませるというのは
アヴァンギャルドなことだな、と思う。いいことだ。


facebook で話題にすると何人か、
『どろぼうがっこう』小さい頃に読みました、今も好きですと反応が。
amazon のレビューを見ても評価が高い。
というか著者の加古里子という名前はどこかで覚えていた。
この機会に読んでみようと図書館で借りてみた。
いつも行く図書館だったけど
絵本のコーナーなんてこれまで入ったこともなかった。
背の低い棚を眺めているうちに、あ、これも読みたいとまとめて借りた。
『くいしんぼうのあおむしくん』と『100万回生きたねこ


『どろぼうがっこう』はナンセンスだけど、これはいい。
日本人らしいユーモア。意外と実験的な作風に驚く。


100万回生きたねこ』恥ずかしながら今日初めて読んだ。
この絵本が好きだと語っていた何人かの女の子のことを思い出した。
今、どこでどうしているだろう。
…ふと背表紙を見たとき、じんわりと涙が。切ない。
驚くほど単純な話なんだけど、その分メッセージが深い。
2時間の映画とか、10巻の小説っていったい何を伝えているのだろう?
力強い物語はシンプルなものなのだと改めて思う。


『くいしんぼうのあおむしくん』は
30数年前に幼稚園で読んで時々思い出していたもの。
当時は怖い話だとばかり思っていてそれで忘れられなかったのですが、
今読むと大人向けの深い寓意がありますね。
こちらもまた、深い。あおむしはいったい何のメタファーなのか。
短い話。書けそうで書けない。


別件で先日借りたのは『くまとやまねこ』
酒井駒子という方の絵、どこかで見たことあるなあと思い、探してみたら
小川未明の『赤い蝋燭と人魚』だった。こちらもまた貴い。


書棚を見渡すと、何かのきっかけに取り寄せた
『ゴールディーのお人形』(ゴフスタイン)があった。