『「ストーリー イズ キング!」ディズニーのすごずぎる脚本作り法』

ディズニーの新作映画『ベイマックス』が話題のようなそうでもないような。
「アナ雪」の大ヒットの後だと難しいのかもしれないですね。


まあ僕が観に行くことはないんだけど、
ほほぉと思ったのは脚本家が20人でストーリーを作ったのだという話で。
この映画に限らず、最近のディズニーは
細分化された工程を経て大掛かりに脚本を書いているようだ。


詳細はこちらを参照。
『「ストーリー イズ キング!」ディズニーのすごずぎる脚本作り法』
http://goo.gl/3lOetq


抜粋すると。


1.ビートボード
2.スクリプト
3.テーブルリード
4.ストーリーボード
5.エディトリアル
6.スクリーニング
7.オフサイト
8.ストーリーボード&スクリーニング


うーん、なんだか工場で工業製品を作っているかのようだ。


こうなってくると
80% の最大公約数よりも
90% の最大公約数の方が何の迷いもなく採用され、
ひとりの作家のエゴなんてものは
検討の過程で真っ先に切り捨てられるんだろうな。
それは確かに誰が観ても面白いものにはなるだろう。
休日の親子が娯楽として観に行くんだから、それは 90% 正しい。


こんな大掛かりな体制、今どきディズニーぐらいにしかできないことなのではないか。
脚本に関わるだけで20人となると他のパートにもそれなりに人数が必要とされるはず。
労働組合の強いアメリカで彼ら全員にきちんと賃金を支払うとなると
最初から確実に大ヒットするだけのクオリティを狙っていかないといけない。
そのリスクを負える製作会社は世界にも数えるほどしか存在しない。
体制維持のために映画をつくるわけではないんだけど。
鶏が先か、卵が先か。


もう一度見返してみると
単なる分業ではなく、各工程が様々な視点によるフィードバックを
目的としているところが興味深いですね。
出来上がった脚本を声に出して聞いてみたり、絵にしてみたり。
ここで厳しい評価を出しあうから品質が保たれるんだなー。
日本人ならなあなあで無難に終わらせようとするところかもしれない。
その厳しい評価を受けて落ち込むのでしばらく外に出て離れるというのが
この8段階のひとつに組み込まれているところが何よりも面白かった。