amazon のユーザーレビューというもの

旧譜の CD を買うとき、amazon のユーザーレビューをよく参考にする。
HMVタワレコに集まってるよりも桁が違う。
感想レベルにとどまっていることも多いけど、
アルバムが製作されるに至った背景であるとか
メンバーの変遷であるとか事実関係に詳しく、
理路整然と曲目解説を書かれている方の文章を拝見すると嬉しくなる。


時々見かけてほほえましくなる、というか力が抜けるのが
「すぐ届きました。ありがとうございます」
というもので、レビューでもなんでもないじゃん!
こういうのをリテラシーと言うのか。
レビューはレビューであって、掲示板ではない、ということに気づかない。
しかもその商品に対するものではなく、amazon に対するというところ。
でも amazon からすると悪い気はしないだろうな。


時代を感じるのは、CCCD(Copy Controll CD)ゆえに評価を下げるというもの。
いや、僕も CCCD はいろんな意味で嬉しくないんだけど、
でもあの一時期のヒステリックな過剰反応は何だったのだろう?
やはりここにも理路整然とこれこれこうだから
再生するプレーヤーにとってよくないと説明する人と
なんであれ自分の権利となりそうなものを侵害されそうだからとにかくいや
という人がいた。
東芝EMI が最後まで CCCD だった。
当時、Rockin'on に担当の方のインタビューが載っていて、
アーティストを保護するための他のより良い方法が見つからず…、
という誠実な語り口の印象で、
音楽を聴く環境が無法地帯となることを危惧していた。
しかしその東芝EMI もいつしか普通の CD へと戻っていった。


得意げに amazon 側記載の間違いを指摘している人もいて、
そういうひとりよがりなのを見かけるとなんだか残念な気持ちになる。
優越感なのか、権威を出し抜いたつもりなのか。
公共の場では他人を不快にする言動はしない、
ということをどこかで学ばないのか。
自分だけは別、ここだけは別と思うのか。


ユーザーレビューで一人の書き手として脚光を浴びて
なんらかオーバーグラウンドへ。
そういう人がいてもいいのに聞いたことがない。
そこがブログとの違いか。
ベストレビューアーには選ばれても、amazon の域を出ない。
それは仕組み的なものなのか。
もっと違う、その圏内の文化とでも呼ぶべきものか。