ABC友の会

昨晩、大学の寮の先輩から封筒が届いた。
開けてみると CD が入っていた。
なんだろう? と思って取り出してみると別の先輩のやっているバンドだった。
「ABC友の会」という。不思議な名前だけど、
ヴィクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』に登場する秘密結社なのだという。


『ABC友の会II』インディーズの2枚目のアルバム。
今日さっそく聞いてみた。
フォークあり、サイケデリックあり、まっすぐストレートに70年代のロックだった。
ベースとドラムがしっかりしているので、その上のギターも歌も素直に聞けた。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00LWT4ZWW


ABC友の会 150504 #ハーティ・キャロル夫人@吉祥寺 BLACK AND BULE
https://www.youtube.com/watch?v=IZ7H2fsWWm4
※この曲は1枚目のアルバムに収録。


詞も曲も演奏も一定の水準に達していて、
あとは70年代のロックをこの現代に鳴らす必然性、
こちらの襟元を掴んで引きずり込むような力強い意味性があれば、と思う。
(僭越ながら)
その理由が「好きだから」だけだと趣味で終わってしまう。


自主製作の音なんだけど、
メジャーのスタジオとエンジニアで録ったら全然遜色ないものに仕上がるんじゃないか。
そんな気がする。紙一重
技術と予算があれば深みのあるクリアな音になりそう。


ひとつ上のトシミツ先輩は僕が新入生で寮に入った時、寮委員長だった。
雲の上の人。それだけで風格、人徳にはズシリと来るものがあった。
近くの女子大の寮に潜入するという恒例の儀式の夜、竹刀をついて門の前に立っている。
そんな姿の似合う人はそうそういない。
軽音でギターを弾き、歌っているというのを学園祭に見に行ったことがある。
寮とは違うひとりの歌い手としての姿が印象に残った。


僕は大学院に行ったので周りの人たちよりも遅れて社会に出ることになった。
修士2年、学生時代最後の年に札幌を旅行して
既に働いている先輩たちや同期たちとススキのに飲みに行ったとき、
トシミツ先輩も来てくれた。その頃札幌で働いていた。
「おお、岡村か」と名前を憶えていてくれたことがとても嬉しかった。


その先輩が今もギターを弾き、歌っている。
40を超えて今も続けている。インディーズだけどアルバムも出す。
簡単なことではない。並大抵のことではない。
今度都内でライヴがあるようなので、行ってみたいと思う。