「ABC友の会」を聞きにいく

日曜に寮の先輩のバンド「ABC友の会」のCDを聞く。
次のライヴが7/29(水)だというので、昨晩、仕事の帰りに行ってみた。
場所は代々木の「Zher the ZOO
新宿で DiskUnion とタワレコに寄ってから歩いていく。


初めての場所。
というかもう何年もこういうライヴハウスに足を運んでいなかった。
トイレが男性ひとつとふたつというところが気が利いてるというか
よくわかってると思った。
古くて小さいところだと男女兼用のトイレがひとつしかなくて
中で女性がエンエンと化粧してて待たされるということがよくあるんですよね。


前日がフラワーカンパニーズ(!)の出る対バン企画で、
今月はうつみようこのワンマンという日もあった。
スキップカウズの名前に懐かしさを感じた。
結成してすぐ出るような場所ではない、質の高さを感じた。


1組目「中村飛斗 & The Strangeness」
蛇革のシャツに中折れ帽の男がジャキジャキとギターを弾き、
そこに女性ヴォーカルがオペラ・アリアのような発声で。
この組み合わせ、新しいといえば新しいし、オリジナリティあった。


2組目「もりきこ」横浜から来たという2人組。
普段はベースとドラムがいるんだけど、今回はアコギ弾き語り。
「ゆず」とかかつてはこんな感じだったんだろうか。
いい曲を書いて演奏する。好感を持った。
小学校で出会って路上でビートルズを演奏してから17年という
息のぴったりな感じもよかった。


3組目「ABC友の会」先輩のバンド。今回はベースなしで3人編成。
ギター2本とドラムに重なって歌が聞こえにくい。
歌のない部分、特に最後の曲「底辺を這う」のテンションの高い演奏がとてもよかった。
しかし先輩としては歌を、歌詞を聞かせたい。
丁寧に伝えすぎようとしているのではないか。
歌を中心に置くならば一本はセミアコにするなどアコースティックな編成の方がいいし、
エレキギターを前面に出すならば
何を言ってるのかわからなくてもいい前提で大声を出した方がいい。
ヴォーカルには有無を言わさず、胸元を鷲づかみにされたいもの。
見終わった後で意見を求められてそんなことを言った。
先輩は見る前にウィスキーを、見終わってからはビールをおごってくれた。


部屋でCDを聞くときは歌詞カードを読むけど、
ライヴの会場では誰も歌詞カードを読んだりはしない。
そのことにバンドのヴォーカルが気付いているかどうかは大きい。
結局のところ、声を通した文字情報を聞いているのではなく、
その歌い手の姿勢のようなものを聞いている。


40を過ぎて先輩もあれこれ悩んでいる。
本気で続けたいが、どういう方向性に進むべきか。
次回のライヴが8月に国立のようなのでまた聞きに行ってみようと思う。


4組目「サンダルバッヂ」
かつてメジャーデビューしていたとのことでやたらうまい。
ベースとドラムがタイトにうねり、もう一人のギターは職人肌。
叙情的な歌詞の世界を音の強弱できちんと伝えようとしている。
歌ったのは「19歳」「紅い林檎」「ゆびきり」など。
アルバムを買ってみようと思う。


しかし、こんな優れたバンドが全く集客できないというこの状況の歯がゆさ。
フロアに30人もいなかったか。しかもその半分はこの日の出演者たち。
バンドを続けていくことの難しさを思う。
後で調べてみたらヴォーカル・ギターは愛媛出身。
宇和島東の野球部にいたとのこと。