「Lamb Meat Tender」

昨日の昼、昼を食べようと皆で歩いていたら
後輩が「ブッチャーズ」系列の新しいバルができたという。
三省堂の交差点を渡って1ブロック南へ。
以前吉野家が出した一人鍋専門店の「いちなべ家」の跡地。
その名もラブミーテンダーならぬ「Lamb Meat Tender」
ラム肉専門店。


帰りに店の前を通って、立ち止まってメニューを眺めていたら
店の人が出てきて「ランチはまだやってないんですよー」
オープン企画で土曜日までシャンパンが1本500円、是非お越しくださいと。
だったら行ってみようかな、と思う。
というかさすがブッチャーズ、やりかたがうまい。
お酒で釣って肉を食べてもらう。


妻に話すと行きたい! となってさっそく昨日の夜、会社の帰りに行ってきた。
オープンキッチンに面したカウンター席へ。
まん中のグリルでは金網の上に大きな塊の肉がみっつもよっつも焼かれ、
脂がジュージューとしみでて火の手が盛大に上がる。


厚切りベーコンが1枚乗ったブッチャーズ名物のポテトサラダ、
トルティーヤと青唐辛子を添えられた羊肉のチリコンカン、
羊肉のたたきをまずは食べる。
激辛の青唐辛子をチビチビかじりながら、グツグツ煮込んだ豆と挽肉を。
そしてよく冷えたワイン。これはおいしかったな。


メインは「信州サフォーク」幻の黒毛和羊。
値段は時価。月末のみ一頭分入荷とあって、聞いてみたら昨日入ったばかり。
せっかくだから頼んでみた。
リブロースが売り切れだったのでラムチョップにする。
しばらくして焼きあがった骨付き肉が出てくる。
店の人が切り分けてくれる。
なんかもう赤身の色づき具合が違うんですよね。脂身すらジューシー。
最後骨をしゃぶってスジの部分を食べた。
(店の人は骨の温めもOKですよ、と言ってくれた)


このおいしさで時価だから5,000円超えるかなとドキドキしていたら
後でレシートを見てみたら3,000円弱。リーズナブル。
500円のシャンパンは最初の1本だけだったので、
その後は普通に安めのワインを1本空ける。
それでも1万ちょっとだった。
あれだけ食べてこの値段だったら安い。


支払のときに店員の方と話す。
グリルの上の換気の仕組みが強力なので店内は煙が全く出ないと。
そう言われてみるとそうだ。
仕込がいいのか、ラム肉の臭みもない。


今、神保町で肉といえば「食肉センター」よりも
勢い的に「ブッチャーズ」系列だな、と感じた。席巻している。
もはや「ブッチャーズ」を語らずして神保町の食は語れない。


肉もいいんだけど店員が気が利いてて、
ブッチャーズの人たちは一見すかしてるんだけど気さくなのがうれしい。
知ってることはきちんと説明してくれるし、
そうじゃないことも知ったかぶりしない。
例えばこんな感じ。
「自分、正直これまでラム肉のことはよくわからなかったんですけど、
 だから全メニュー食べてみて、これが一番うまかったです。
 自信を持っておすすめします」とチリコンカンを。
昼に出てきた彼だった。
接客中、一生懸命時間をとって語ってくれた。
こういう等身大の応対、バルならばありと思う。