熊本帰省 その5(8/10)

今回1日、九州内で遠出しようという話になり、
鹿児島の天文館、宮崎でチキン南蛮、佐賀の波戸岬など候補が出た中で
熊本港からカーフェリーに乗って島原へ、
一日遅れだけど長崎の平和公園に行こうという案が浮上する。
カーフェリーは30分で向こう側に着く。しかし2時間に1本。
9時台のに乗ったら着いてから先ほとんど時間がない。
長崎までは1時間半ぐらいかかる。着くのは昼頃になる。
だったら最初の7時半のに乗って行こう、
そのためには6時に起きようということになる。


寝たのは午前0時半。
6時前に起きてそのまま出かける。朝食は食べず。
西にまっすぐ進んで熊本港へ。
埋め立てをして作った港。
最後は長い橋を渡った。


カーフェリーに乗り込む車両の列の最後尾に加わる。
チケットは昨晩のうちに妻がネットで申し込んでいる。
事前に予約すると割引になる。
申し込みの画面で車種とナンバープレートの情報を入力しているので
僕らの車が近付くと係員の方が「○○さんですね」と確認する。
順番を確保するといったん車を下りて、出航までの時間を過ごす。


フェリー乗り場の受付で予約していた乗船券を購入する。
僕らが乗ったのは熊本フェリーによる「オーシャンアロー
熊本港島原港を30分で結ぶ。
この路線はもう一社、九商フェリーが手掛けている。
1時間かかるものの多少安い。船も地味。
だったら皆「オーシャンアロー」を選ぶかな。どうなんだろ。


7時半出航の15分に車に戻る。
係員の案内でフェリーの中へ。
指示に従って所定の場所に停めて、階段を上って客室へ。
さらに2階に上がって、ラウンジ席へ。
朝食を食べていなかったので売店でサンドイッチとコーヒーのセット500円を4人分買う。


出航。デッキに出る。
熊本港は今も埋め立てを続けていて、クレーンが遠ざかっていく。
船を修理するドックが、護岸ブロックが、目の前を過ぎていく。
ラウンジ席に戻る。コロッケサンドやチキンカツサンドを食べる。
2階から海を見るとそれほどでもないように思うが、
1階の窓、海面スレスレのところから見るとかなりの高スピード。
エンジンを左右に配したことで実現したのだという。


この日、快晴ではなく空が曇っている。
海と陸の境目がはっきりせず灰色。
窓の向こう、西の方にぼんやりと陸地が見えた。
天草ではなく、島原か。
反対側の窓に向かうと遠くに漁船が群れ集まっていた。
前方には雲仙岳普賢岳


30分後、8時になって時間通りに到着する。
車に戻って出発する。
長崎は今日も雨だった」この歌のタイトルがいかに秀逸かという話をする。
今日も、ということは過去がある。物語がある。


島原はひなびた町だった。古い、新しいではなく、ひなびている。
若者向けの店はカラオケぐらいか。他、何もない。
新しい家も多いが、古い、黒い瓦屋根の家もまた多いからか。
向こうに島原城が見える。僕は黒いと言い、妻は白と言う。
昨晩見たテレビ番組で
豊臣時代の城は黒の漆を使い、徳川時代の城は白い漆喰を使ったとあった。
そう言われてみると壁はとても白い。島原城徳川時代か。


しばらく走ると右側に海が見えた。
有明海沿いに国道が続く。単線のローカル線と並行する。
雲仙市から国見町に入る。サッカーで有名なだけあって
道路沿いの町の明かりがサッカーボールの形をしている。
あと名産なのは蟹。「がね」と呼んでいる。
道々にがね料理の店。


無人駅が続いた。
島原半島をぐるっと半時計周りに回って諫早市へ。
「開門に向けた測量調査反対」と手書きの札を見かける。
さらに先まで行って市街地に出ると
リンガーハットの隣にトルコライスの専門店があった。
ここから長崎まで高速に乗る。
国道沿いの風景はぞれぞれお国が出るが、
高速に乗ってしまうと全国同じだと思った。
山の中を走って緑があって、向こうに密集した住宅地があって。