今回1日、九州内で遠出しようという話になり、
鹿児島の天文館、宮崎でチキン南蛮、佐賀の波戸岬など候補が出た中で
熊本港からカーフェリーに乗って島原へ、
一日遅れだけど長崎の平和公園に行こうという案が浮上する。
カーフェリーは30分で向こう側に着く。しかし2時間に1本。
9時台のに乗ったら着いてから先ほとんど時間がない。
長崎までは1時間半ぐらいかかる。着くのは昼頃になる。
だったら最初の7時半のに乗って行こう、
そのためには6時に起きようということになる。
寝たのは午前0時半。
6時前に起きてそのまま出かける。朝食は食べず。
西にまっすぐ進んで熊本港へ。
埋め立てをして作った港。
最後は長い橋を渡った。
カーフェリーに乗り込む車両の列の最後尾に加わる。
チケットは昨晩のうちに妻がネットで申し込んでいる。
事前に予約すると割引になる。
申し込みの画面で車種とナンバープレートの情報を入力しているので
僕らの車が近付くと係員の方が「○○さんですね」と確認する。
順番を確保するといったん車を下りて、出航までの時間を過ごす。
フェリー乗り場の受付で予約していた乗船券を購入する。
僕らが乗ったのは熊本フェリーによる「オーシャンアロー」
熊本港−島原港を30分で結ぶ。
この路線はもう一社、九商フェリーが手掛けている。
1時間かかるものの多少安い。船も地味。
だったら皆「オーシャンアロー」を選ぶかな。どうなんだろ。
7時半出航の15分に車に戻る。
係員の案内でフェリーの中へ。
指示に従って所定の場所に停めて、階段を上って客室へ。
さらに2階に上がって、ラウンジ席へ。
朝食を食べていなかったので売店でサンドイッチとコーヒーのセット500円を4人分買う。
出航。デッキに出る。
熊本港は今も埋め立てを続けていて、クレーンが遠ざかっていく。
船を修理するドックが、護岸ブロックが、目の前を過ぎていく。
ラウンジ席に戻る。コロッケサンドやチキンカツサンドを食べる。
2階から海を見るとそれほどでもないように思うが、
1階の窓、海面スレスレのところから見るとかなりの高スピード。
エンジンを左右に配したことで実現したのだという。
この日、快晴ではなく空が曇っている。
海と陸の境目がはっきりせず灰色。
窓の向こう、西の方にぼんやりと陸地が見えた。
天草ではなく、島原か。
反対側の窓に向かうと遠くに漁船が群れ集まっていた。
前方には雲仙岳と普賢岳。
30分後、8時になって時間通りに到着する。
車に戻って出発する。
「長崎は今日も雨だった」この歌のタイトルがいかに秀逸かという話をする。
今日も、ということは過去がある。物語がある。
島原はひなびた町だった。古い、新しいではなく、ひなびている。
若者向けの店はカラオケぐらいか。他、何もない。
新しい家も多いが、古い、黒い瓦屋根の家もまた多いからか。
向こうに島原城が見える。僕は黒いと言い、妻は白と言う。
昨晩見たテレビ番組で
豊臣時代の城は黒の漆を使い、徳川時代の城は白い漆喰を使ったとあった。
そう言われてみると壁はとても白い。島原城は徳川時代か。
しばらく走ると右側に海が見えた。
有明海沿いに国道が続く。単線のローカル線と並行する。
雲仙市から国見町に入る。サッカーで有名なだけあって
道路沿いの町の明かりがサッカーボールの形をしている。
あと名産なのは蟹。「がね」と呼んでいる。
道々にがね料理の店。
無人駅が続いた。
島原半島をぐるっと半時計周りに回って諫早市へ。
「開門に向けた測量調査反対」と手書きの札を見かける。
さらに先まで行って市街地に出ると
リンガーハットの隣にトルコライスの専門店があった。
ここから長崎まで高速に乗る。
国道沿いの風景はぞれぞれお国が出るが、
高速に乗ってしまうと全国同じだと思った。
山の中を走って緑があって、向こうに密集した住宅地があって。