ラーメン・アクシデント

こんなことがあった。
昨日の昼、若いのたちを引き連れて前から気になっていた神田の「K」へ。
神保町からはるばる片道20分ぐらい歩く。
着くと少し並んでいる。僕らの後にも行列が伸びた。


からうま系の味噌ラーメン。
辛さと痺れの段階を選ぶことができる。
辛さと痺れを「増し増し」って感じで。
僕はその「増し増し」にする。
「鬼増し」にすると有料となる。


カウンターに座って、しばらく待って出来上がる。
なかなか辛い。舌が麻痺したのか、味がしない。むしろ水っぽい。
相当辛いんだなと思いながら食べる。
チャーシューや味玉はとてもうまかった。
面の茹で具合もいい。
なんかおかしいんだけど、初めて入る店なので
もしかしたらこういうものなのかもしれないと食べてしまう。


店を出て歩き出す。1人が言い出す。
「あれ、味噌入ってなかったですよね」
一緒に作った全員そうだという。
え!? そんなことあるのか。


厨房には数えたら7人いて、完全な分業体制。
スープだけを作る人、麺を茹でる人、食器を洗うだけの人、奥で野菜を切っている人。
これだと確かに工程がどこかひとつ抜けてもおかしくない。
流れ作業をチェックする人がいない。
店長らしき人がカウンターの状況を小まめに確認して次いくつ作るか指示をしているんだけど、
つくった後はそれを運ぶだけ。
チャーシューとかトッピングなら気付くだろうけどスープの中の味噌はわからない。
なんとはなしに厨房の中を見ていた後輩曰く、トッピング担当は
新人だったのか手元がおぼつかなくあれこれよそ見しながらやっていたとのこと。


人気店。効率を求めて分業体制というのはわかるけど、
どんなに繁盛している店でも厨房で調理して運ぶのは2人までかなあ。
その2人が互いのやることを見ているのがいい。
あるいは主副の関係が非常にはっきりしているか。
3人を超えると責任の所在が曖昧になる。


注文を聞いて、器を用意して、茹でて、トッピングを乗せて、運んで
という全てを自分でやってる店がベスト。
小さい、カウンターが7つか8つだけの店。
己のキャパシティーを知っている店だから信用できる。
もう1人いるとしても片付けと皿洗いだけというような。


レシピを見ながらでないと作れない。
見ていてもすっぽかしてしまう。
そんな店はさすがに、ちょっと。
やっぱさ、店長が自分で作るべきなんじゃないか?