Eric Clapton Nippon Budokan April 16 2016

土曜の夜、エリック・クラプトンの武道館公演を見に行った。
未明、熊本の地震が本震を起こした直後。
3.11のときのような闇雲な自粛ムードとはならず、予定通り開催された。
5日間のうちの中日。


このところ毎年のように来ているのでいつでも見れたんだけど
僕がエリック・クラプトンを聞きだしたのはここ数年。
一度見ておきたいなと思っていたら
70歳を過ぎてエリック・クラプトンはツアーからの引退を表明。
チケット取れないかな? と慌てたけどあっさり第一希望の土曜が取れた。
たまたま運がよかったのかな。
九段下の駅を出るとチケットを譲ってくださいというひとがチラホラと立っていた。


客層は年齢高めでほとんど男性。
女性のではなく男性のトイレで行列というのは初めて。
S席なのでアリーナではなく1階。
北東エリアだったので舞台後方から見下ろす位置になる。
エリック・クラプトンはすぐ目の前だったけどずっと背中。
横を向いたのは数えるぐらいしかなかった。
マイクに向かうか、自分でヴォーカルを取らない時は後ろに下がるか。
ステージ上の動きはそれだけ。


衣装がもはや独特のフォーマルさ。
白のYシャツに黒のベスト、下はアディダスと思われる紺のジャージ。
これがなぜかやけに似合う。リラックスしてて。
間男が旦那が来るのに気付いてその辺の服を慌てて着たようでもあったけど。


バックはおなじみのギター、アンディ・フェアウェザー・ロウや
キーボード(ピアノ)にジョー・コッカーバンドにも属していたクリス・ステインソン。
そこにアコーディオンマンドリンなどカントリー系の楽器を器用に弾きこなす
唯一のアメリカ人、ダーク・パウエルが加わるという布陣。
この人が加わるだけで音の雰囲気がかなり変わった。


演奏した曲目は
「Hoochie Coochie Man」「I Shot the Sherif」「Wonderful Tonight」
「Crossroads」「Cocaine」など。半分がブルースナンバーのカバー。
アンコールでも「Layla」はやらず。さんざんやりつくしてさすがに飽きたか。
「Change the World」「Tears in Heaven」なんてのもやらない。
レパートリーが多すぎるからだろう。
他の日は全然違うセットリストになっていたのかもしれない。


ギターはとにかくうまかった。とても滑らか。
バックの演奏もいい。大半のメンバーがそれぞれ1曲ずつヴォーカルを取った。
その分エリック・クラプトンも俺が俺がと前には出ない。
それが物足りないけど、引退直前のステージってこんなもんか。
70年代のを見てみたかったな、と思う。中頃までのライヴ音源はどれもいい。
特にマーシー・レヴィことマーセラ・デトロイトがバックコーラスだった時のを。
そういや映像は残っているのかな。80年代のは時々DVDを見かけるけど。


ギターは袖に何本も立てかけてあって
ギターテクニシャンが調整していたけど
(それが目の前に見える位置だった)
弾いていたのはずっと黒のフェンダー
アコースティックのコーナー以外、浮気はせず。
そこのところがさすがでした。
とにもかくにも、あっけらかんと渋かった。