昨日に引き続き。
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Nils Frahm, Peter Broderick, Olafur Arnalds
といった現在20代末〜30代前半の世代がポストクラシカルの中心だとしたら
「プレ・ポストクラシカル」とでも呼ぶべき上の世代の方たちもいて。
Arvo Part や Wim Mertens といった辺り。
強いて言えば現代音楽なんでしょうけど、
がっつりと交響楽を書くタイプではなく、
傾向としてはミニマル・ミュージック。
儚い音の断片が繰り返されて、少しずつ変化していく。
重要な曲が多く、美しい曲も多いのですが、
えてしてこういう曲って10分・20分と続くドローンが当たり前で
2時間のイベントだと何曲も選べないんですね。実際眠くもなるし。
そんなわけで、Arvo Part「Spiegel im Spiegel」
訳すと「鏡の中の鏡」
Gus Van Sant監督の『ジェリー』にも使われていて、
主人公のマット・デイモン、ケイシー・アフレックが
道に迷って荒野を彷徨うシーン(全編ほとんどがそのシーン)を
哲学的なものにしていました。
Arvo Pärt- Spiegel im Spiegel
https://www.youtube.com/watch?v=TJ6Mzvh3XCc
もう一曲残念ながら今回外したのが、John Cage「In A Landscape」
世間一般的には演奏しないことを演奏とし、
沈黙の中に音を聞こうとした「4:33」や
キノコ研究家(つまりまあ変人)として知られますが、
美しい曲もたくさん書いてます。
John Cage - In A Landscape
https://www.youtube.com/watch?v=PSmXAG2mYY4
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Chilly Gonzales は一見ブラジル系? という名前ですが、
芸名であって、本当はカナダ人。パリで活動しています。
ヒップホップ系プロデューサーとして自らアルバムも発表しつつ、
ジャズやクラシックの影響を受けたソロピアノ集が2枚出てて
それが大きな話題になったという。
「ポストクラシカル」としては異色の人ですね。
大胆な振れ幅ですが、その間でポップな曲も出したりととても器用です。
Jane Birkin や Feist のプロデュースでも有名。
無名時代は無声映画にピアノで音楽をつける仕事をしていたとのこと。
Gonzales - Final Fantasy (Le Feu Follet)
https://www.youtube.com/watch?v=yYpZZNq-tEY
もうひとり、異色の人。
名前からしてハードコアなポストロックのバンド、The Battles の
フロントだった Tyondai Braxton が脱退後、
ソロで発表した『Central Market』が
思いっきり室内楽的クラシックに傾倒した21世紀型ポップ・インストゥルメンタルであって。
この頃現代音楽の巨匠 Philip Glass の元で学んでいたりしたんですね。
なお、お父さんはフリージャズ界の巨匠 Anthony Braxton という毛並みの良さ。
Tyondai Braxton - Opening Bell
https://www.youtube.com/watch?v=61-Jzf-7qh0