ストーリーの型

編集学校[破]応用コースの物語編集術について、ちょっと書いたこと。
(いつも書いてることですが…)


前後は省略。

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僕なんかだと映画であれ小説であれ、
何よりもワールドモデルが面白そうかどうかでまずは選んでますね。
時代設定や背景と言い換えてもいいかもしれません。
それがどれだけリアルで斬新か。


次にその中を生きるキャラクターに感情移入できるか。
キャラクターの魅力や言動に共感したくて
映画を見たり、小説を読むわけです。
皆さんもそうじゃないですか?


そしてそのキャラクターの立ち振る舞いがシーンの中で
印象的に描かれると嬉しい。


一方でストーリーは案外ベタな方がよかったりするんですね。
奇抜なものは実は求めていない。
時にはアヴァンギャルドな作品の鑑賞もいいですが、
例えば帰りの疲れた通勤電車の中で読むものとしては
起承転結の転や結がないとか、平板すぎて何も起こらないとか、
英雄が弱すぎて何もしないとかイライラして困っちゃうわけです。


ワクワクさせて次が読みたくなる作品ほど、
ストーリーは普遍的です。
例えば『ONE PIECE』なんてそうでしょう?


ルフィたちは海賊王になって
ONE PIECE」を手に入れるために旅を続けている。
(←ワールドモデル)


困っている町や国の人たちがいて、やたらめったら強くて悪いやつがいて、
仲間と一緒になってやっつける。そしてまたルフィたちは強く賢くなる。
(←ストーリー)


ひたすらこの繰り返しです。
なのに夢中になって読んでしまう。


次が読みたくなるというのは、
展開がどうなるかだいたいわかっていて
やっぱそうなったか! というのが心の奥底にどこかあるんですよね。
誰しもストーリーというものを自分の知っている型/構造の中で捉えていて
その通りになると安心する。
だけどワールドモデルやキャラクターの組み合わせで
それはいくらでも新鮮なシーンとなりえる。


そういった普遍的なストーリーは
自分ひとりで考えるものではなくて
古今東西の物語の大きな川の流れに乗っかる中で見えてくるもの。
ああ、『スター・ウォーズ】と○○の物語は似てるな、
というような共通点が「型」として見えてくる。
それを捕まえるようにしてください。