ゴールデンウィーク7日目

昨日書き忘れたこと。
人で賑わう二子玉川駅前を歩いていたら何かの人権系のキャンペーンで配っている横で
誰かが台の上に立ってゆっくりと扇子を振りながらパフォーマンスをしている。
「こんにちは、あかちゃん」のテープに合わせて。
よく見るとマック赤坂だった。タスキみたいなのに名前が書いてあった。
誰も立ち止まらず。まるでそこに誰もいないかのように。
僕も写真を撮ろうかと思ったが、怖くてやめた。


23時より NHK星野源のげんかあさんの生放送。ついつい見てしまう。
いかにマイケル・ジャクソンが好きかという話のあと、
尊敬している人として細野晴臣が。
SAKEROCK の頃に歌ったほうがいいと薦めたのが細野晴臣だったんですよね。
2人で「絹街道」を歌う。
星野源が割烹着を着た昭和のお母さんに扮していて、
細野晴臣バンカラな学生服。バックも学生服で演奏。


早いものでゴールデンウィーク7日目。
この日は甲府の友人を訪れるために5時起き。
僕が申し込んだとき、割引切符があるのが7時発のスーパーあずさ1号だけだった。
留守の間、みみたがお腹をすかせることのないよう、
牛乳と猫缶と煮干しをあげたら、それを全てきれいに完食。
階段をトコトコと下りてきて玄関前でキョトンとしてお見送り。


東京は快晴。甲府も27℃まで上がるという。
新宿で乗り換えてサンドイッチとお茶を買って乗り込む。
八王子まであっという間。その先から山の中へ。新緑がまぶしい。
村上春樹『雑文集』を読んでうたた寝
8時前に大月。三遊亭小遊三を思い出す。
リュックサックを背負った登山客がごっそり下りてガラガラになる。


8時半前に甲府駅到着。
ホームに降り立つと空気がきれい。
キオスクに47都道府県版の一番搾りが売られている。
「熊本づくり」「青森づくり」といった名前ではなく
「山梨に乾杯」となっている。
帰りに買って飲もうと思う。


車で迎えにきてくれたUさん夫妻と落ち合ってさっそく移動開始。
甲斐市韮崎市と通過して山梨県北西部の北杜市へ。
ここは2年前、サントリーの工場見学で来たことがある。
信玄餅」の金精軒と「七賢」の山梨銘醸を訪れる。
鄙びた田舎町。通り沿いに並ぶ旧家。まだ朝早いのに賑わっている。


まずは金精軒。
信玄餅といえば「桔梗信玄餅」が有名だけど
信玄餅自体の商標は金精軒が持っているらしい。色々ややこしいことになっているようだ。
ここには生信玄餅があって、普段甘いものに興味がない僕でもあまりのおいしさに何度も試食をつまんでしまった。
10個入りを買って帰ることにした。


向かいの造り酒屋へ。杉玉が僕がこれまで見た中では最も大きかった。
山梨といえば「七賢」であろうか。
大きな旧家が今はカフェや七賢の試飲と販売の部屋などとなっている。
本棚がいくつかの小さなセレクトショップの部屋もあった。
選書は昨年甲府でご挨拶した書店のMさんであると。
通路の床にはトロッコ用の線路。かつては蔵から酒を運んだという。
奥には入らなかったが広い敷地の中に酒蔵があって酒を作っていて、
その手前には湧き水が飲めるところがあった。
サントリーの工場と同じ水を利用している。つまりサントリーの天然水と同じということか。
飲んでみたけど、スッキリまろやかな味がしたように思った。


10時からのお座敷見学を申し込む。
明治25年明治天皇がここに宿泊したのだという由緒ある場所。
時間があったので七賢を試飲する。
その名の通り、中国の故事にある竹林の七賢人が由来となっている。
あとで見学の際に通された部屋の欄間の細工にてこの七賢人が一本の木から掘り出されたのを見た。
試飲は最初の一杯は無料。
2杯目以後は 15ml で30円から100円とワイナリーの試飲と比べて安い。
せっかくなので一番高いのを飲ませてもらう。しかもこの蔵でのみ販売のものを。
純米大吟醸のフルーティーなものを。
しかし名前がわからず… しかもわかっても日本の漢字にない。


お座敷見学へ。
福沢諭吉につながる嫁を迎えたとか、その嫁入り道具として中国の製造会社のピアノを購入して、
世界にも数台しかない象牙の鍵盤であるとか、
額は明治天皇の見守りとして山岡鉄舟が書いたものであるとか。
そういった話もすごかったが、何よりも感銘深かったのは明治天皇のその旅行にて従者が400人、
当時の天皇は神様であって、ベッドは運ばせ、風呂はその日だけ使うものを作らせたのだということ。
箸に至るまで全てのものを持ち込んだ。
普通それらは使い捨てであって全て廃棄される。
しかし箸だけは晩と朝に利用したものを従者代わりに仕えたその家の子供たちにお礼として与えたため、今も残っている。
風呂の水は霊験あらたかなものとして、汲んで帰りたいという行列が果てしなかったのだとか。
明治天皇が泊まった部屋はその後縄を張り、七賢の一族の者はその部屋を利用するのを禁じた。
その封が解かれたのは第二次大戦後、天皇は神ではなく人間であると宣言されてから。
その他、庭はお白州の裁きの場として利用されたとか、
戦前は銀行業務を行なっていて窓口には鉄格子をはめていたけど、鉄を供与することになって全て外したとか。
興味深い話が多かった。


お猪口であるとか、手作りの民藝品を売る部屋があった。
その中に海辺の工房で作ってますという革製品の棚があって、そこで売っているトートバッグに一目ぼれ。
高かったけど買うことにした。
山梨かどうかわからないけど、ZEPETTO という工房らしい。


試飲に戻る。いくつか試して、3本買った。
「向秀」「絹の味」など。
調味料として燻り酒も一本試しに買ってみた。