- 作者: 菅付雅信
- 出版社/メーカー: アルテスパブリッシング
- 発売日: 2012/01/12
- メディア: 単行本
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『はじめての編集』という本を読んだ。
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下北沢の『B&B』で去年か一昨年ぐらいに見つけた。
2012年に出版されてその後順調に版を重ねている。
書店で出会ってピンと来るものがあった人が多いのだろう。
作者である菅付雅信は
『CUT』や『metro min.』『インビテーション』といった雑誌を手がけきた編集者。
名前は知らなかったけど、これらの雑誌は折に触れてこれまで手に取ってきた。
編集とは「企画を立て、人を集め、モノをつくること」
編集の基本となる3大要素は「言葉とイメージとデザイン」
ここをベースラインとして、編集とは何か? を
自らの事例や海外の雑誌の事例を元に語っていく。
この豊富な事例に触れるだけでも面白い。
(でも、初めてだけどDTPをやる必要があって、という具体的な局面には向かない)
最後の方から言葉を拾ってみる。
「「美しさ」とは、自然も人為的なものも共に、きまりがあること」
「アートとは、知覚において、古いきまりを壊して、新しいきまりをつくること」
「「過去のことと外のことを知る」、これが勉強の本質ではないでしょうか」
「勉強とは、新しく魅力的な「きまり」を創れるようになるためにするものだと思います。
そして編集は、物事がより魅力的に見えるように、
絶え間なく新しいきまりをつくり続けていく行為でもあります」
「編集は個人表現ではありません。多くの人が関わり、多くの人に向けて発信するものです」
実際のところは直接この本を読んでほしいんだけど、
何が僕にとってずしりと来たかというと
「アート」とか「編集」とか、大事なものとは思いつつ
もう何年も自らの言葉で定義せず曖昧にしてきたことに気づかされたというか。
最近はこんなふうに、手探りでも言い切ってくれる書き手に惹かれる。
これまでの経験から生まれた哲学や世界観を元に語ってくれる人。
それがその人を読むということなんですよね。