8/15

8/15(日)


8時半に起きて若松孝二監督の『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』を観る。
190分という長さ。「彼ら」はいかにして
連合赤軍リンチ事件」と「連合赤軍あさま山荘事件」へと向かったから。
その過程を描こうとしたらこれだけの長さになってもおかしくないかもしれない。
実際、見てて長いとは思っても「冗長」だとは感じなかった。むしろはしょりすぎ。
60年代、金はないけど反骨精神というより闘争本能のあった
独立系ピンク映画で湯水の如くエロティックで実験的な作品を作っていた
若松孝二監督からしてみればどこかで自分なりの「総括」がしたかったのだろうか…
パレスチナにいた足立正生が日本に戻ってきて、重信房子が逮捕された今、
「俺が撮らずしてどうする」という怒りだろう。
山本直樹が『RED』を連載しているよなあとか、
小さい頃「あさま山荘」のニュース映像を見たことがあるよなあとか。
いろんなことを思いながら観る。
当時をリアルに生きた人たちの様々な主観や視点がそれぞれにあったはずで
僕は何も言えない。
どういう立場なのか、正確なのか僕には分からないが
途中途中このサイトを参考にさせてもらった。
http://yabusaka.moo.jp/asamasansou.htm


革命に身を投じた若者たちが多数登場する群像劇。
有名なところでは最後のあさま山荘まで突き進んだ ARATA と、
途中のリンチ殺人で「総括が足りない」として殺された純朴そうに見える酒井真紀と。
僕自身もまだ消化不良で今は何も言えない。
2010年代の今、手法が古すぎて肯定はできないけど否定もできない。
「否定もできない」と思う僕は
当時を美化した若松孝二監督の思いにしてやられたのだろうか?
1972年当時の人たちからしたら、テレビの向こうの立て篭もった
「いきがってる時代錯誤な迷惑者のバカは死ね」だったんじゃないか。
僕には分からない。


前から気になっていた韓国のキム・ギドク監督の作品、『サマリア』を観る。
ヨーロッパに旅行したいという無邪気な理由のために
援助交際をする友達と、その手配をしてる主人公の女の子と。
それがある日、警察がラブホテルに踏み込んで友達は飛び下りて逃げようとする。
地面に激突。病院に運ばれて翌日、死亡。
その日から主人公は客に取った相手に一人ずつ会って、
自ら客にとって、友達が得た金を返そうとする。
それをたまたま目撃した主人公の父親。背景は何も知らない。
自分の娘に援助交際をさせるような奴らは許せないと一人ずつ復讐を行う。
エスカレートして、最後は殺しにまで発展する。
主人公と父親は2人車に乗って遠くに旅に出る。
やるせない、いたたまれない。
映画にしてはいけなかったもの、見てはいけなかったものを見せられたような…


次、『散歩する惑星
どこか別の惑星での出来事を描いたシュールなブラック・コメディ。
どうしようもなく弛緩したオフビートな感覚が売りなんだろうけど…


イン・ハー・シューズ
キャメロン・ディアス扮する読書障害で仕事が長続きしない妹と、
トニ・コレット扮する弁護士だけれども満たされない姉と。
2人の人生がぶつかり合って互いにはじき合って、
やがて、いないとされていた祖母の住むフロリダへと引き寄せられていく。
土日10本近く、ジャンルは雑食でガツガツと借りていく中で
何の変哲もない、フツーのアメリカ映画が見たいと思って選んだ1本。
こういうのが心に染みる。手堅く、よくできている。
キャメロン・ディアスって他には例えば『ホリデイ』が面白くて唸らされた。
キャリア選択において常に有益な一手を打ち続けている人なのではないか。
ただのお馬鹿なコメディエンヌではない。
そのしたたかさを嫌というほど感じさせられた。


昨日同様、スパゲティーを茹でてナポリタン。
『がんばれベアーズ! ニューシーズン』を観る。


これだけのペースで観てれば TSUTAYA DISCAS に登録した予約リストの
消化ペースも順調かと思いきや、そうではなく。
まだ300本以上残っている。
この週末でアカデミー・カンヌ・ヴェネチア・ベルリン、
各映画賞の受賞作品の在庫リストのページを見つけてしまったのがよくなかった。
まだ膨大に足してしまった。
いつになったらこの責め苦は終わるのか。


夜、昨年出た Brand New Heavies の2枚組ライブアルバムを聞く。
「Dream On Dreamer」など懐かしい曲が並ぶ。