こういう宗教を考える。新興宗教


■教義
 人間という生き物は起きてるとロクなことをしでかさない。
 その一方でひとたび眠りさえすれば、その間は悪事を働くことができない。
 そればかりか、邪念を抱くことがないゆえに
 無へと、純粋な存在へと、立ち返ることができる。
 眠りとは祈りに等しい、崇高にして尊い行為である。
 眠ること、すなわち、祈りである。


■教えの実践
 寝る。とにかく寝る。
 より多く眠れるものこそ、幸いである。
 健やかな笑顔を浮かべて長々と眠りに就く者が尊ばれる。
 眠りの浅いもの、悪夢を見て苦痛に顔を歪める者は修行が足りない。
 在宅でも教えの実践は可能であるが、
 信者は出家して集団睡眠に加わるのが望ましい。
 道場にてみなが布団を並べて、ひたすら眠る。


■教団の当面の目標
 東京ドームを3日3晩借り切って、集団睡眠イベント。
 グラウンドに敷き詰められた布団の海。
 海外進出としては、マジソン・スクエア・ガーデンを当面の目標とする。


■教祖の資格
 誰よりも眠れる者。いつでもどこでも眠れる、は当たり前。
 1日中眠れるどころか、2日間ぶっ通しで眠れるぐらいの才覚は必要。


■教祖の1日
 やはり、起きてる間は人前に出てはならぬ。
 総本山の特別な一室にて教祖様がご就寝成された後、
 上級の信者たちにその寝室が開放される。
 そのそばに布団を敷いて眠れる者はごく一握りである。
 上記東京ドームでのイベントは、教祖様がお眠りあそばされたベッドを
 屈強な男たちがグラウンドの真ん中へと運ぶことから始まる。
 もちろん教祖様はこんなことぐらいじゃ目を覚まさない。


■教団の収入源
 霊験あらたかにして、寝心地のいいとされる羽毛布団の販売。
 教祖が寝てるときの涎を小瓶に詰めて 1cc につき 100万ぐらいで売る。
 もちろん壷も売る。


■布教の方法
 アイドルや各界著名人が眠ってる写真を手段を問わずかき集めて、
 コラージュしてパンフレットを作製。
「ほら、沢×エ××も実践してる」といったような宣伝を行う。


■宗派争いの誕生
 理系の一派はレム睡眠時の脳波に現われる美しい波形を競い合い始め、
 眠りの量ではなく質を問うべきではないかと投げかける。
 ここに宗派争いが生まれる。


■スタンス
 人類みな兄弟であり、
 誰もがその生に於いて1度は眠りにつくというのならば
 誰もが信者というスタンスを取る。
 門戸は常に開かれている。
 愛し合った2人はその後眠ったりする(こともある)ではないか。
 眠る、とは愛の行為である。

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眠りを基本に置いた宗教はいいとして、
何もわざわざ新興宗教っぽくする必要はないか。
60年代末のフラワームーヴメントの末裔っぽい雰囲気の方がいいかな。
合言葉は「Love Together, Peace Together, and Sleep Together」