8/22

8/22(日)


9時に目が覚める。
シーツと枕カバー、バスタオルを洗う。


ハル・アシュビー監督『帰郷』(1978年)
ベトナムから下半身不随となって帰還したアウトローな男と、
彼を支えているうちに、同じくベトナムに行った夫がいるにも関わらず
彼を愛するようになった女と。
主演の2人、ジョン・ヴォイトがアカデミー主演男優賞、カンヌでも主演男優賞。
ジェーン・フォンダがアカデミー主演女優賞。
この2人の存在感と演技が映画をグイグイと引っ張っていく。
特にジョン・ヴォイトが一世一代の名演。
この年のアカデミー作品賞はマイケル・チミノ監督賞『ディア・ハンター
この2作が主要な賞をほぼ独占する形となって
アメリカにとってベトナム戦争とは? アメリカの映画は何を、どう描く? 
というテーマの年となった。
なお、ジョン・ヴォイトの娘はアンジェリーナ・ジョリー
昔はアンジェリーナ・ジョリーのことを「ジョン・ヴォイトの娘」と呼んでいたのに、
今ではジョン・ヴォイトのことを「アンジェリーナ・ジョリーの父」と呼ぶ。
なんだか感慨深い。


狂わせたいの』(1997年)
オー!マイキー』で有名な石橋義正監督の中篇。
最終バスに乗り遅れた会社員が謎の最終電車に乗ったところ
いきなり前の席に座っていた女性がストリップを始めて・・・
といった感じで奇怪な女性たちの登場する風変わりなエピソードが続く。
山本リンダ的な昭和ムード歌謡が見せ場になると必ず流れて、歌い踊る。
取り立てて面白いというものでもなかった。


『アイス・ストーム』(1997年)
台湾出身、『ブロークバック・マウンテン』や『グリーン・ディスティニー』で
知られるアン・リー監督が撮ったサスペンス風のホームドラマ
監督にはアメリカの生活・家庭がどんなふうに見えたのだろう?
どことなくなんとなく、外から観察してパーツを組み立ててますという印象を受ける。
親たちも子供たちもそれぞれが歪んだ性的な関係に入り込み、崩壊する、
隣接した2つの家族の行く末。
不倫の2人がケヴィン・クラインとシガニー・ウィーヴァー。
子供たちにトビー・マグワイアクリスティナ・リッチイライジャ・ウッド
と豪華な面々。特にこの3人はまさに売り出し中でブレイク寸前だった。
今思うととても不思議な顔ぶれ。


ウディ・アレン監督『メリンダとメリンダ』(2004年)
脚本家仲間が飲んでいると、悲劇と喜劇はどちらが素晴らしいかという議論になる。
若い夫婦が友人たちを集めて食事をしていたら招かれざる客メリンダが突然現れた、
という設定から悲劇と喜劇をそれぞれ作り出すことになり・・・
それが交互に語られていくんだけど、
うーん、どちらも悲劇にも喜劇にも見えない。
いつもの(微妙に調子悪いときの)ウディ・アレンの映画でしかない。
ウィル・ファレルが出ていたけど、自身の作品ではないため怪演はなし。


先日パトリス・ルコント監督の『橋の上の娘』を見て以来、
「Sing, Sing, Sing」という往年のスイングの名曲が気になって仕方がない。
誰の演奏のだったのだろうか?
でも「Sing, Sing, Sing」って言ったら普通ベニー・グッドマンだよなあと
1曲 iTunes Store からダウンロードする。


カー・ウォッシュ』(1976年)
ロサンゼルスの洗車場を舞台にしたドタバタ・コメディ。
一癖も二癖もある従業員たちばかりで一日中大騒ぎ。
オーディション目指して歌って踊ってばかりの二人組、
ゲイだとか、革命家気取りだとか、
変てこな帽子をかぶってるとか、チビなのにアフロがやたらでかいとか。
エピソードの羅列で特にはなしらしい話はないんだけど、
この映画何がいいかって、
ロスの架空のラジオ局からの放送を一日中流しっぱなしにしてるんですね。
なのでディスク・ジョッキーがムーディーに喋って、
一番キラキラしていた頃のディスコやソウルが次々にかかる。
サントラを amazon で見つけて即オーダーした。
これは絶対いいはず。
脚本は後に80年代ブラット・パック映画の代表格
セント・エルモス・ファイアー』を監督するジョエル・シューマカー


カリン・クサマ監督『ガールファイト』(2000年)
クサマという苗字からも分かるように、日本人とのハーフ。
監督の生まれ育ったブルックリンが舞台。
貧しい父子家庭に暮らす孤独な女子高生がボクシングに出会って、
モクモクと練習に励み、アマチュアの大会で勝ち上がっていく。
この作品もまたサンダンスとカンヌで評価された。
女性だからと言ってチャラチャラしない、男も女の関係なく這い上がりたい、
と強く願う主人公の姿には監督自身の思いも投影されているのではないか。
ひたすらにストイックな映画。


浴槽を洗って、シャワーを浴びる。


以前青森から送られてきた荷物の中にホタテの煮汁を凍らせたものが入っていて、
有効活用しようと昨日西友で買った安売りのホタテと、
冷凍食品の温野菜とを炒めて煮る。
缶ビールを飲む。


最後、本多猪四郎監督の『マタンゴ』(1963年)
ようやく見た。筋肉少女帯にも同名の歌があったが・・・
東宝の特撮系の作品では最も有名な作品か。
ヨットに乗った若者たちが嵐に会い、漂着した無人島には食べ物は何もなく、
放射能で突然変異したキノコが妖しく繁殖していた。
食べた人間はやがて巨大キノコへと変身する。
人間の幸せってなんなのだろう? 
小さな島で皆がキノコ人間になってそれで皆が幸せだというのならば、
それでもいいではないか、と思う。
今調べたらマタンゴ役の一人に天本英世


午前0時半に眠る。