こんなサントラを持っている その6

――――――――――――――――――――――――――――――
サンガツ『波』


奥原浩志監督の『波』のサントラ。
(映画サークルの先輩の知り合いということで、
 上映会で16ミリの自主制作作品を観たことがある)


サンガツというグループのことは詳しくはしらないんだけど、
peleのようなギター主体のインスト・バンドというか、いわゆるポスト・ロック
ホームページを見てみたら寡作だが活動は続いているようだ。
昨年新しいアルバムが出た。
http://sangatsu.com/


映画の内容からか、淡々と静謐な曲が続く。
弦の上を指が動く音すら、曲の一部のような。
波打ち際を遠くにして、ささやかに聞こえる波のよう。


――――――――――――――――――――――――――――――
□『Downtown81』


ジャン=ミッシェル・バスキア主演でニューヨークの
アンダーグラウンドな音楽シーンを伝える、という半ばドキュメンタリーの映画。
バスキアが街をフラフラしてる間に当時のいろんなバンドの演奏風景が挟まる。
「No New York」系のコンピって ZE Records や Soul Jazz Records も
張り切ったのを出していたけど、僕としてはこれにかなわない。
サントラの曲目を書き写すだけで震える。


Gray「So Far So real」
Coati Mundi Hernandez「K Pasa Pop I」
Tuxedomoon「Dresire」
Liquid Liquid「Cavern」
DNA「Blonde Redhead
James White & The Blacks「Sax Maniac」
Marvin Pontiac「I'm a Doggy」
James White & The Blacks「Contort Yourself」
Gray「Drum Mode」
Lydia Lunch「The Closet」
Coati Mundi Hernandez (Poetry by Jean-Michel Basquiat)「Palabras Con Ritmo」
Lounge Lizards「Bob the Bob」
Pablo Calogero「Tangita」
Kid Creole & The Coconuts (August Darnell)「Mr.Softee」
Suicide「Cheree」
DNA「Detached」
Chris Stein「15 Minutes」
The Plastics「Copy」
Walter Steding & the Dragon people「New Day」
Rammelzee vs K-Rob「Beat Pop」


Grayってバスキアの参加してたバンドだったか。


Coati Mundi は Kid Creole & The Coconuts のメンバー。
いきなりこのコンピの最高潮。
サルサ系ラテン・ファンクとニューヨーク・パンクの最も幸福な邂逅。
ギターもリズムも前のめりにつんのめって熱い。
つまるところ、じゃがたら。必聴。
この時期の他の音源を聞きたいが、見つからず。


Tuxedomoon「Desire」
1981年はまだサンフランシスコだったか(その後ブリュッセルに移住)。
なぜニューヨークの映画に? と今でも疑問に。
とはいえ、メンバーが動いてる映像がなかなか入手しにくいので、とても貴重。
スタジオライブ。アルバムとは異なる音。
打ち込みのリズムも心なしか早くてパンキッシュ。
キーボードもノイジー。オリジナルよりも僕は好き。


DNA「Blonde Redhead
あのアート・リンゼイがギターを弾いていたバンドとしてあまりにも有名。
『No New York』にも参加。
ベースのティム・ライトが元 Peru Ubu ってのも
アンダーグラウンド・ロックの系譜として感慨深い。
ドラムのモリ・イクエは日本人。
というか、ここで語るべきは曲名の「Blonde Redhead
もちろん、Blonde Redhead というバンド名はここから取られたんですね。


Marvin Pontiac はジョン・ルーリーのソロですね。
Lounge Lizards も入ってるのが嬉しい。


The Plasticsは日本人のバンド。テクノポップに分類される。
立花ハジメ、MELONの中西俊夫
佐久間正英(元:四人囃子、今やプロデューサーとしてときめく)
がメンバー。ある意味スーパーグループなのに、そういう扱いはされない。


ジェームズ・チャンスもリディア・ランチもスーサイドも入ってますよ。


――――――――――――――――――――――――――――――
□Peter Broderick『Music for Falling From Trees』


この人のことはよく分からない。
まだ若くて、いろんな楽器を演奏するということぐらいしか知らない。
デビューしてまだ5年にも見たいないんだけど、
たくさんアルバムを出している。Machinefabriek など共演も多い。
僕はどこで知ったのか。全然思い出せない。


この作品はコンテンポラリー・ダンスのための音楽。
ピアノやヴァイオリンを自分ひとりで演奏している。
静かな情感に満ちた音。室内楽的なようでいて、
ギターなどエレクトリックな楽器のないポスト・ロックのようでもある。


4月に来日するとのコト。これは見たい! チケットを予約した。
http://www.cotelabo.com/peternilstour.html


――――――――――――――――――――――――――――――
Buffalo Daughter / Delaware『Jungle Park』


棚を見ていたら出てきた。これもまあサントラ? かな。
プレステの1996年のゲームに
「ジャングル・パーク」ってのがあってそれのテーマ曲などを再録したもの。
Buffalo Daughter なのでなかなかかっこいい。
この頃はまだギターロック・オリエンテッド
気になってゲームの方も買ってみた。
…暇つぶし程度のもので、僕は1回か2回しかプレイしなかった。


無機的なリズムの反復が有機性を獲得する瞬間。
ってのが Buffalo Daughter の音楽のテーマだとしたら、
ゲームのサントラに合うのかもね。
いや、今聞いてるとかなりいいですよ、これ。


共演してる Delaware というもう1つのバンドについてはよく分からず。
ノルウェイに同名のバンドがあるけど、たまたま一緒なだけだろう。
どっちがどの曲って分からないんだけど、
カッコイイと思ったのは Delaware の方だったりして。


――――――――――――――――――――――――――――――
□『True Fiction Pictures: Music from the Hal Hartley』


その名の通り、ハル・ハートリー監督作の劇中歌を集めたもの。
いくつかの曲はネッド・ライフルという人によるものなんだけど、
ハル・ハートリーの別名だったりする。
何の変哲もない、アメリカ学生インディー系ギターロック。
他には Yo La Tengo が2曲(「Some Kinda Fatigue」「Always Something」)など。


映画は「シンプル・メン」「トラスト・ミー」など。
学生時代に「フラート」を見てあれこれ考えさせられたもんだけど、
残念ながら入っていない。
というかハル・ハートリーって1998年の『ブック・オブ・ライフ』が最後のはずで、
その後どうしているのか。


僕が持ってるのは日本盤で、嶺川貴子佐々木敦が対談している。
このCDもまた、えらくプレミアがついている。