『ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜』

今日の午後は誘われて『ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜』を観に行った。
日比谷シャンテシネ。日曜の銀座・有楽町界隈は混んでいた。
http://disney-studio.jp/movies/help/


1960年代前半。黒人に対する人種差別が当たり前で社会的良識だった
南部、ミシシッピ州ジャクソン。
メイドたちは「The Help」と呼ばれて、蔑まれていた。
「トイレを分けないと変なものに感染する」と人間扱いされていなかった。
その現状を目の当たりにしたジャーナリスト志望、
大学を出たての若い白人女性が彼女たちの声を集めて本にしようとする。
ハイソサエティのご婦人たちはブリッジの集まりや
”アフリカの子供たちを救う”ための慈善パーティーに明け暮れ、
公民権運動に目覚めた黒人たちはKKK団によって見せしめのために殺される。
そんなアメリカ。
映画はその悲喜こもごもを描く。希望もあれば絶望もある。
メイドたちは自らの子供たちをないがしろにしてでも白人の子供を育てる。
そしてその子供たちが育ったとき、年老いて、その子供たちに雇われる。


原作も監督もミシシッピに生まれ育ち、盟友という間柄ゆえか
構えがきっちりとしていた。何事も自然に、当然のこととサラッと描ききる。
重くなりがちな題材なのにユーモアさえある。いい映画だったと思う。


役者、というか女優たちの演技、そのアンサンブルが何よりもよかった。
白人側の主役のエマ・ストーンは正直、パッとしない。
次の『スパイダーマン』でヒロイン役みたいだけど。
イノセントな爪弾き者を演じたジェシカ・チャステインは今後の注目株か。
ツリー・オブ・ライフ』で評価されたみたいですね。
個人的に「やるなあ」と思ったのはこれでもか、これでもかと嫌な女を演じきった
ブライス・ダラス・ハワード。『ヒア・アフター』や『マンダレイ』に出てるのか。


黒人側は皆、素晴らしい。
もうひとりの主演、ヴィオラ・デイヴィスアカデミー賞のノミネートが
助演女優賞だったらまず間違いなく獲得だったのではないか。
この辺り、白人だから主演、黒人だから助演という
分け隔てが目立たなくなったことが絡んでちょっと感慨深い。
この世界の99%を諦めている、しかし1%は希望をもっている。
その立ち振る舞いが素晴らしかった。
アカデミー助演女優賞オクタヴィア・スペンサー。甲乙付けがたかったですね。
そしてこちらも個人的にとても印象的で、泣ける存在感だったのが
エマ・ストーンを育てたコンスタンティン役のシシリー・タイソン
どこかで名前聞いたことあるなあと思って調べてみたら
マイルス・デイヴィスと結婚していた時期があった。そうか。


ちなみに男優たちは十把ひとからげ。
監督(ちなみに男性)は描く気なかったんじゃないかというぐらいに。

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終わって、近くのコカレストランへ。
日比谷の店はこの日で閉店なのですね。
タイスキを食べる。うまいよね。
最後のおじやがいろんな旨味出ててよかった。


インド映画の『ロボット』がすごい、とにかくすごいと聞く。
その場で iPhoneYoutube の予告編を観る。
一頃話題になりましたよね。これってマサラ版『マトリックス』なのか。
いや、それ以上。
主演は『ムトゥ踊るマハラジャ』のラジニカーント
http://www.youtube.com/watch?v=mY_0NA4AP-o