青森帰省再び その4

(28日(月)のこと)

6時半起きで朝食。
窓を開けると曇り。小雨が降っているようだ。
朝食ののち、家中に掃除機をざっとかけて
荷物をまとめてタクシーに乗って新青森駅へ。
東京に戻るのではなく、この日は弘前へ。一泊する。
満開で今がちょうど見ごろ。


JR奥羽本線弘前行き09:12発、09:50着。
ローカル線各駅停車に乗っていく。
平日だし空いてるかなと思いきや
ホームに入ってきた車両の中にぎっしりと乗客たちが立っている。
そうか、シニア世代と外国人観光客に月曜はないか…
車両の奥まで入っていって網棚に荷物を置く。
吊革につかまり、窓の外の風景を時々眺めながら
昨日買った『青森たび歩きの達人』(泰斗舎)をめくって過ごす。
さすが地元の人たちが作っただけあって各町村満遍なく扱っている。
取り上げるおいしい店も一見おしゃれなとこよりも
元気なおばちゃんが昔からやってるようなところが多い。
いいね。油川、蓬田、小湊、三厩に1ページずつ割いていて
油川ではイタリア料理の店「Adesso」が載っていた。
本当は昨晩行くはずだったが、母が電話すると日曜は休みだった。
なお、「まるごと青森」という青森県を紹介するブログと連動している。


電車は津軽新城鶴ヶ坂大釈迦、浪岡と停まる。
住宅地よりも田畑の間を走っていく。
農家が畑で火をくべている。
小さな桜の木を植えている家がちらほらとある。
崩れた土手を土嚢で固めている。
遠くにはまだ全体を雪で覆われた岩木山
川辺を過ぎて弘前に近付くと背の低いリンゴの木が畑に並んでいる。
まだこの時期は灰色の枝ばかりだ。


弘前駅に着く。ここは新宿駅か?
ってぐらいにホームも階段も改札前も混雑する。
改札を出ると人間の背丈ほどもある巨大なリンゴの置物が置かれていた。
駅舎の外に出ると雨がやんでいる。
弘前公園までのシャトルバスが長蛇の列。100円。
観光案内所で弘前の地図をもらう。
駅舎2階の展望デッキ席でノートPCを広げる。
風が強く、寒かったので中に入ったところにある駅ビル「アプリーズ」のドトールへ。
空き席を見つけて案内してくれる働き者の店員がいた。


まだ時間はあるからと『弘前酔連』の4号を読んで過ごす。
前半のテーマが「観桜会」で後半が映画という2本立てだった。
(「カンオウカイ」と読むのではなく「カンゴカイ)
弘前城は上野公園などと並んで日本で最も花見客の訪れるベスト3であり、
入場者数は200万人とあった。
花見の時期の名物はガニ(トゲクリガニ)とガサエビ(シャコ)
昔は見世物小屋があって、それはさすがになくなったが、
今もオートバイのサーカスとおばけ屋敷がテントを張るのだという。
おばけ屋敷は僕も小さいときに入ったことがある。
僕は怖がりもせずササッと外に出たが、妹がなかなか出てこなかった。
中に入って連れ出そうとしてして出口に向かうと
タダで入ろうとしている子どもと思われておばけ役の男性から腕をつかまれた。
そのことを思い出した。


後半、映画の話は青森県に映画館ができたときのこと。
キネマトグラフであり「活動写真」と呼ばれていた明治から大正にかけて。
名物弁士の特徴的な語り口調にヤンヤの喝采を送る。
昭和30年には弘前市には18館、木造町にも3館あったとのこと。
その後、渋澤達彦『言葉の標本函 夢のかたち』を拾い読む。
昼を過ぎてドトールを出る。空がようやく晴れて日が出てきた。
それにしても電車内でもドトールでも小中高生を数多く見かけるのは
もしかしてゴールデンウィークの今日、学校が休みなのか。


駅前から大通りを西へ、北へ。
繁華街である土手町まで歩いて弘南鉄道弘前中央駅を通り過ぎ
(いい感じで寂れていますね)
飲み屋街に入って坂道を少し上った先に「ドーミーイン」があった。
15時少し前にチェックイン。
ロビーでは無料でリンゴジュースが飲めるようになっている。
露天風呂も夜鳴き蕎麦もある。やはりドーミーインはいい。
荷物を置いて外に出る。