箱根へ その3

芦ノ湖畔のホテルに着く。
改装リニューアルしてオープンしたばかりで、大勢の宿泊客がいた。
3階の部屋に通される。静かで落ち着いている。
母たちの泊まる1階に行ってみると部屋にかけ流しの温泉があった。
用意されていたお茶の中にさくらんぼのお茶があって、飲んでみた。
ほんのりと甘い香りがした。


その後皆でツツジシャクナゲが有名な庭園を歩いた。
例年ならばゴールデンウィークが終わる頃に咲き始めるのが、
今年は温かかったためうまいことこの日が開花一日目。
とはいえ大半が蕾であって満開ではない。
ホテルに宿泊していると無料で入ることができる。一般客は入場料800円が必要になる。
満開となってテレビに放映されると、歩くこともままならぬくらいになるという。
ワインレッドや春色のピンクに咲き誇ったツツジたちの間の小路を歩く。
白のシャクナゲはちょうど蕾から咲き始めた頃だった。
庭園は斜面に造られていて、高いところからは雲に覆われた富士山が見えた。


大浴場に入りに行く。
今回のリニューアルの目玉のひとつがここ大浴場とのことでとてもきれいだった。
女性の方は露天風呂があったようだけど、男性は半露天風呂。
屋根と壁に覆われ、頭上が少し開いて箱根の木々が見えた。
内風呂に入っていると義父、義兄、義弟と四人が一緒になる。
お湯に浸かりながら青森や熊本の話をする。


部屋に戻ってきたころ、式場のブライダル担当のTさんが挨拶に。
明日の着付けの段取りについて話があって
誓いの言葉を新郎が読むことになっていると記された紙のコピーを渡される。
暗記する必要はないですが、目を通しておいてくださいと。


夜、18時半より小さな宴会場にて顔合わせの食事会。
先付 焼茄子 白ダツ
前菜 春蛸山椒の花煮凝り
   うるい辛子浸し
炊き合わせ 野菜飛竜頭 丸茄子田舎煮 トマト麩
合肴 桜海老 お茶の葉掻揚げ
   芦ノ湖産公魚木の芽揚げ
などなど。公魚とはわかさぎのこと。
芦ノ湖名産ということで以前見学に来た時は元箱根港近くの料理屋では
わかさぎを活かしたメニューがあの手この手でたくさんあった。
でもやっぱこんなふうに揚げ物が一番いいですね。
吸物の蒔絵や焼き物の器には箱根、小田原、平塚など
東海道五十三次の頃の近隣の風景が描かれていた。


恙なく終わって21時。
再度温泉に入りに行く。
最近よくそうするようにフロントから爪切りを借りて爪を切る。
疲れ切って、明日も早いし、早々と寝た。