隅田川花火大会(続き)

隣に座っていたガラの悪い学生の集団は人数が少ないのにシートだけはやたら広く広げて、
人が通りがかるたびに文句をつける。
自分たちは礼儀正しいつもりでいるのか、「靴を脱いでもらえますか」と注意し続け、
やがて「テメエら靴脱げよバカヤロウ」と怒鳴りだす。
なんなんだこいつらは、と思う。
酔っ払いの見物客ばかりなところにそんな窮屈な彼らの世界で通用しない礼儀正しさを持ち込まれてもなあ。
だったら人で溢れかえってる場所でシートの2つもあれば足りるところを
5つも敷いて独善的に過ごしている彼らのほうがよほど失礼だ。
「朝早くから来て場所を取ったんだから俺たちの場所だ、ここは」という感覚なんだろうな。
何のサークルなのかわからないが、極真空手っぽい。
ピアスに丸刈りや金髪、甚平という出で立ち。


不思議なことに女性のマネージャーもいて、1人かなりきれいな子がいた。浴衣を着ていた。
それとなく見ているとこの子はその荒くれどもとあまり話そうとせず、
1人ポツンと輪の中に座っていた。なんとなく陰のある子だった。
奇妙な掛け声と彼らが共に「大五郎」イッキを始めて暴れだしてもそっと座っていた。
彼らが1人ずつ帰るなりどこか消えてしまっても1人最初の位置のまま座っていた。
漫画の中だと「先輩の女」って感じ。後輩たちが手を出せず、その先輩が一番の荒くれ者っていうような。
こういう非常識な集団と一緒に過ごして学生時代を過ごすのか。
彼らがバカやってる分には彼らとしてはそれでいいんだろうけど、
彼女がそれでいいと思ってるのならまあそれでいいんだけど、
なんだかもったいない。
何が縁で彼らとかかわりを持つようになったのだろう?
格闘技が好きだから?
まだ自分というものがなかったときに彼らの1人に骨抜きにされた?

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花火が終わって、片づけをする人しなくてもいい人ってのも UNO で決める。
夜の屋外、明かりの乏しい場所で UNO をやると青と緑が同じ色に見えてやりづらいったらありゃしない。

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9時半。ボウリングやりたい!という声が女の子たちの方から上がり、ボウリング場へ。
前の日一応調べてみたら浅草にもボウリング場があった。
浅草寺の裏、ROX やフランス座のある辺り。
終わってから1時間以上経っていたのに浅草寺を中心とする道路はまだ混雑していた。
警官たちがあちこちに立ち、交通整理。
(公式サイトの掲示板を見たら警察の対応に対してやたら評判が悪かった)


道端でアイスを売ってると買ってみたり、
てくてくと歩いていくとやがてボウリング場が見つかる。
この界隈は祭りということもあって夜もにぎやかだった。
浴衣を着た男女がほろ酔い加減で歩いている。
ボウリング上の前には芸の神様を奉っている小さな社があって
全部は忘れたけど神様は「踊神」「話神」「唄神」など6人。
古きよき時代の芸人をかたどっていて、
神様の1人はアコーディオンを持っていて、別な1人は落語家のようだった。


花火を見た後でボーリングしようと思う人って何気に大勢いて入れないのではないかと僕は思ったのだが、
入ってみるとそんなことはなく、8人ですぐにも2レーン使える。
ちょうどよく男女4人ずつだったのでペアになって1投目・2投目交互に投げる。


僕としては実に久し振りのボーリング。
2年前に部門のイベントで行ったとき以来。
あの時は30人で行ってブービー賞だったんだよな・・・。60点か70点で。
トコトコと歩いてボテッとボールを落としてガターになる女の子たちよりも低かった。
そんなのが2年ぶりにやってみたところでダメなのはダメで1投目はいきなりガター。
9号の軽いボールを使ってるのに重く感じられてならない。
しかも手首がふにゃふにゃしてコースが定まらない。
1回目のゲームは全然結果が出せず。


2回目のゲームは商品にアイスを賭けようということになる。
お金がかかると緊張感が増すのか、いきなり調子がよくなる。
スペアも取ってストライクも出して4チーム中2位へ。
ゲーム前にはハンデつけるかってことになって
+40点のはずだったのにハンデなしでも堂々2位。
「ボーリングって面白いなあ」なんてちゃっかり思う。
セブンティーンアイスの自販機があったのでおごってもらう。


なお、ここのボーリング場にはキティちゃんのボールがあった。初めて見た。

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ボーリング場を出て駅へと向かう。
行楽地ってこともあるのかあちこちに
記念写真用に顔のところがくりぬかれている例のあれが置かれている。
寅さんのとか、江戸時代のお侍さんと町娘とか。
後輩たちがキャッキャ言いながら写真を撮る。


浅草寺の中を通っていく。夜店はまだまだ商売をしていた。
さすがにおみくじ売り場は閉まっていて、仲見世通りの店もシャッターが下りていた。
それでも灯りは煌々と明るく、意外と眠らない街なのかもなと思う。
ベニヤ板で作ったような安いテーブルの飲み屋があちこちにあって、
どこも大勢の酔っ払い客で繁盛していた。

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1日遊びきってクタクタになる。
家帰るとすぐにも眠り込んで目が覚めると昼の12時過ぎ。
何もする気が起きず床屋に行って髪を切った他は特に何もしない。


浅草ってこれまで何度も訪れたことがあって、
ROXでバイトをちょっとだけしたこともあれば
花やしきも2回ぐらい行ったことあって、
どじょうを食べに行ったことも三社祭を見に行ったこともある。
そんで今回隅田川の花火大会も見たわけだけど。
でもまだまだ見てないもの行ったことのない場所ってあるんだよなあ。
神谷バー電気ブランを飲んでみたいし
(他の店で飲んだことがあっておいしくないものだってことは知っている)
牛鍋も食ってみたい。
浅草って歩いてると老舗のおいしそうな食べ物屋がとても多い。
また機会があったら行ってみたい。