タクシー帰り

最近毎週必ず徹夜している。今日もそうだった。
顧客の業務イベントに合わせて、不具合対応もピークへ・・・
チームのメンバー全員が終電を逃して、
それでも午前1時にはみな引き上げてその後飲みに行っただろうか。
僕はやるべきことが残っていたので、オフィスに留まった。
終わったのは午前3時。
先週・先々週と始発を待ったけど今回はどうにも帰りたくなって
会社の前に停まっていたタクシーに乗った。


荻窪駅まで、と僕は言う。
運転手は40代ぐらいだろうか。
「新宿西口から青梅街道でいいですか?」と聞かれる。
「いいですよ」と答えると
「サービスで高速乗ってもいいですけど」と言われる。
え?と思う。今時のタクシーはそれがサービスとして普通なのだろうか??
特に急いでるわけでもないし、「や、いいです」と断る。
「じゃあ、下走ります。信濃町の方に出てトンネルをくぐります」
東京の道に明るくない僕は「おまかせします」と言わざるをえない。
トンネルってどこだろう?なんて思いながら。


その後会話が多少続く。
「会社にはまだ人が大勢残ってるんですか?」
「いや、僕が最後でした」
「でも、あのビルはよく電気ついてますよね、夜遅くでも」
「夜遅い人たちばかりの会社だと、自分が最後だと思わないから
 消す習慣がないんじゃないですか?」
ああ、なるほど、と納得される。
今日は僕が最後だったので一応、電気を消してきた。


そんなこんなで、走っているうちに目の前には東京タワーが。
オレンジ色に染まって光り輝いている。
大きく聳え立つ。
真夜中。思わず見とれる。吸い込まれそうに思う。
赤羽橋から曲がる。


六本木のツタヤ。ヒルズ。
青山方面に抜けて、新宿御苑の地下トンネルへ。
トンネルとはここか。新宿御苑の地下にあったとは知らなかった。


運転手はスピードを出すのが好きみたいで
曲がり角でグイッと行ったり、車と車の間をすり抜けたり、
ヒヤヒヤさせられる瞬間が何度かあった。
酔っ払いがひょろっと現われたら轢いてたんじゃないかって思う。
ああ、だから高速乗りませんかと言われたんだな。
目の前に車が見えなかったら、ありえないぐらい飛ばした。


新宿を過ぎてウトウトしだす。
気がついたら着いていた。
疲れ切った一週間もようやく終わり。
長かったような短かったような。


今から寝ます。おやすみなさい。